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高血圧(こうけつあつ)

How To
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高血圧は生活習慣病の一つとして多くの人に見られる病気です。
高血圧とは、血液が動脈の壁を強く押す状態で、心臓や脳などの臓器に負担をかけることで、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。

高血圧の原因は、遺伝的体質や加齢だけでなく、塩分やアルコールの過剰摂取、ストレス、運動不足、肥満などの生活習慣が大きく関係しています。
高血圧を予防するためには、塩分やアルコールの摂取量を減らし、ミネラル類をしっかり摂取し、適度な運動や禁煙を行うことが効果的です。

1.高血圧とは何か

高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態をいいます。
高血圧になると、血管に負担がかかり、動脈硬化や心筋梗塞などの重大な病気のリスクが高まります。

そこで、この記事では、高血圧の定義と基準、症状と原因、予防法と治療法、そして高血圧になったらどうするかについて解説します。

1.1 高血圧の定義と基準

高血圧は、安静時の最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上または最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上であることを指します。
ただし、これらの数値はあくまで目安であり、年齢や体質、合併症などによって適切な目標値は異なります。

そのため、自分の場合に適した目標値を医師に相談することが大切です。

1.2 高血圧の症状と原因

高血圧は「無声の殺人者」とも呼ばれるほど、自覚症状が少ないことが多いです。
しかし、長期間放置すると頭痛やめまい、耳鳴りや動悸などの不快な症状や、脳卒中や心不全などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

高血圧の原因は明確ではありませんが、遺伝的要素や生活習慣の乱れ(塩分摂取過多や肥満・喫煙・飲酒・運動不足・ストレス)が関係していると考えられています。
また、腎臓や甲状腺など他の臓器に異常がある場合も高血圧を引き起こすことがあります。

2.高血圧の予防法

高血圧は、生活習慣の乱れが大きな原因となっています。
そのため、高血圧を予防するには、食生活や運動習慣、ストレスのコントロールなど、日常生活でできるひと工夫が重要です。

2.1 食生活の改善

高血圧を予防するためには、まず塩分の摂取量を減らすことが必要です。
塩分は血液中の水分量を増やし、血圧を上昇させるからです。

日本人の平均的な塩分摂取量は男性10.9g、女性9.3gとされていますが、厚生労働省や日本高血圧学会では成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満を目標としています。
具体的には、以下のような工夫をしましょう。

・味付けは薄味にする

・塩分の多い食品(味噌汁や漬物・加工肉・インスタント食品・スナック菓子など)は控える

・塩分表示を見て低塩分の商品を選ぶ

・食卓に塩や醤油などの調味料を置かない

また、塩分だけでなくミネラル類もしっかり摂取することが大切です。
特にカリウムやマグネシウムは体内の余分な塩分や水分を排泄したり、血管を拡張したりする作用があります。

カリウムやマグネシウムは野菜や果物・海藻・豆類・乳製品・魚介類などに多く含まれています。

2.2 運動習慣の確立

運動することで筋肉量が増えると代謝が上がります。
代謝が上がると余分な脂肪や塩分も燃焼されやすくなります。

また運動することで汗もかきますから体内の水分も排泄されます。
これらの効果によって血液中の水分量が減少し、血圧も下降します。

運動療法では有酸素運動(歩く・走る・自転車に乗る・水泳など)がおすすめです。
有酸素運動では心臓や肺機能も強化されますから心臓への負担も減らせます。

一方無酸素運動(筋トレ・重量挙げ・スプリント走など)は筋力向上に役立ちますが、一時的に血圧を急上昇させる可能性もありますから注意しましょう。

運動するときのポイントは以下の通りです。

・運動前には準備運動をして体をほぐす

・運動中には水分補給を忘れない

・運動後にはクールダウンをして血流を整える

・運動強度は自分の体力に合わせて調整する

・週に3回以上、1回に20分以上の運動を継続する

2.3 ストレスのコントロール

ストレスが溜まると自律神経のバランスが崩れます。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、血管や心臓などの内臓機能を調節しています。

ストレスがかかると交感神経が優位になり、血管が収縮し、心拍数や血圧が上昇します 。
そのため、高血圧を予防するためにはストレスのコントロールも重要です。

ストレスのコントロール方法は人それぞれですが、以下のようなことが有効です。

・趣味やリラックスできることを見つける

・気持ちを素直に表現したり相談したりする

・睡眠時間や睡眠環境を整える

・呼吸法や瞑想法などで心身を落ち着かせる

以上、高血圧の予防法について食生活・運動習慣・ストレスのコントロールの3つの観点からご紹介しました。
高血圧は無症状であっても放置すれば重大な合併症を引き起こす可能性があります。

日常生活で気軽にできることから始めて、高血圧予防に努めましょう。

3.高血圧の治療法

高血圧とは、動脈の血圧が正常値よりも高い状態を指します。
血圧は、心臓が血液を体中に送る力です。

高血圧は、心臓や脳、腎臓などの重要な器官に負担をかけて、心筋梗塞や脳卒中などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。

高血圧の原因は、遺伝的な要因や年齢、肥満、喫煙、飲酒、ストレスなどが関係しています。
高血圧のほとんどは本態性高血圧と呼ばれており、特定の原因は分かっていません。

一方で、他の病気が原因で起こる二次性高血圧もあります。

高血圧の治療法は大きく分けて以下の3つに分類されます。

3.1 薬物療法

生活習慣だけでは十分に降圧効果が得られない場合や、合併症がある場合には薬物療法が必要となります。
降圧薬にはさまざまな種類があります。

・利尿薬: 尿量を増やして水分や塩分を排出し、血液量を減らすことで血圧を下げる

・アンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB): 血管を弛緩させて抵抗を減らし、心臓への負担を減らすことで血圧を下げる

・アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤: 血管収縮物質であるアンギオテンシンIIの生成を抑えて血管を広げることで血流を改善し、血圧を下げる

・ベータ遮断薬: 心拍数や心筋収縮力を低下させて心臓から出る血液量や酸素消費量を減らすことで血圧を下げる

・カルシウム拮抗剤: 心筋や平滑筋に入るカルシウムイオンの流入量を減少させて筋肉細胞内カルシウムイオン濃度低下させ,心筋収縮力および末梢動静脈抵抗低下させ,それによって,心拍数・心拍出量・末梢動静脈抵抗・冠動脈抵抗・冠動脈流量・骨格筋循環等々,多方面から降圧作用を発揮する

降圧薬は、医師の指示に従って定期的に服用する必要があります。また、血圧や脈拍、体重などを自己測定して記録することも大切です 。

3.2 生活習慣の改善

高血圧の予防や治療には、生活習慣の改善が不可欠です。具体的には以下のようなことが挙げられます 。

・塩分の摂取量を減らす: 塩分は血液中の水分量を増やして血圧を上げる原因となります。
 一日あたり6グラム以下に抑えることが目標です。

・アルコールの摂取量を減らす: アルコールは血管を収縮させて血圧を上げる効果があります。
 一日あたり20グラム以下に抑えることが目標です。

・適度な運動をする: 運動は心肺機能や筋力を向上させて血管の柔軟性や代謝能力を高める効果があります。
 週に3回以上、30分以上の有酸素運動(歩行、ジョギング、サイクリングなど)を行うことが目標です。

・喫煙をやめる: 喫煙は一時的に血圧を上げるだけでなく、長期的にも動脈硬化や心臓病などのリスクを高めます。
 禁煙することで血管の健康を保つことができます。

・ストレスをコントロールする: ストレスは交感神経系やホルモンバランスに影響して血圧を上昇させる可能性があります。
 リラックスした生活リズムや趣味・娯楽・睡眠・呼吸法などでストレス解消することが大切です。

・体重管理をする: 肥満は血圧やコレステロールなどの血液中の脂質値を上げる原因となります。
 BMI(体格指数)を22以下に保つことが目標です。

生活習慣の改善は、高血圧だけでなく、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病全般の予防や治療にも有効です。
自分に合った方法を見つけて、長期的に継続することが重要です。

3.3 その他の治療法

薬物療法や生活習慣の改善だけでは十分に血圧が下がらない場合や、二次性高血圧の原因となる他の病気がある場合には、その他の治療法が必要となる場合があります。
その他の治療法には以下のようなものがあります 。

・レニン・アンギオテンシン系電気刺激(RASS):交感神経系を抑制して血管を拡張させる電気刺激装置を首筋に埋め込む手術

・腎動脈内バルーン拡張術:腎臓への血流を改善するために、腎動脈内にバルーンカテーテルを挿入して拡張する手術

・腎動脈内ラジオ波焼灼(RDN):交感神経系を抑制して血管を拡張させるために、腎動脈内にラジオ波カテーテルを挿入して周囲の神経終末を焼灼する手術

・副甲状腺摘出術:副甲状腺ホルモン過剰分泌(副甲状腺機能亢進)が原因で起こる高カルシウム血(高カルシウム性高血圧)や骨粗しょう症(骨粗しょう性高血圧)などで使用される手術

これらの治療法は、一般的ではなく、特殊な条件下で行われるものです。
医師と相談して適切な方法を選択する必要があります。

4.高血圧になったらどうするか

高血圧は、自覚症状がないことが多く、気づかないまま放置されることがあります。
しかし、高血圧は放置すると重大な合併症を引き起こす可能性があります。

高血圧になったらどうするか、以下に説明します。

4.1 高血圧を自覚したら

高血圧を自覚したら、まずは自分で血圧を測定してみましょう。
家庭用の電子式血圧計や地域の施設に設置してある無料で利用できる血圧計を使っても構いません。

ただし、正確な測定のためには以下の点に注意してください 。

・測定前に5分以上安静にしておく

・測定中に話さない、動かない

・測定する腕の袖をまくり上げる

・測定する腕の肘関節と心臓の高さを合わせる

・測定器のカフを腕にしっかり巻きつける

測定した結果、収縮期(最高)血圧が140mmHg以上または拡張期(最低)血圧が90mmHg以上だった場合は、高血圧の可能性があります。
一度だけでは判断できないので、数日間連続して朝晩2回ずつ測定しましょう。

その平均値が基準値を超えていた場合は、次のステップへ進みます。

4.2 病院での受診

自分で測定した結果が高血圧だった場合や、頭痛・めまい・動悸・耳鳴り・胸痛・息切れ・手足のしびれなどの自覚症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
内科や循環器科などで受診することができます。

医師は以下のようなことを行います 。

・診察:身長・体重・脈拍・聴診器検査・眼底検査など

・血液検査:コレステロールや尿酸などの脂質値や肝機能や腎機能など

・尿検査:尿中タンパクや尿中ナトリウム(塩分)量など

・心電図:心臓の電気的活動や不整脈や心筋梗塞(心臓発作)等

・胸部レントゲン:心臓や肺等

これらの検査結果から医師はあなたの高血圧の程度や原因や合併症等を判断し、適切な治療法を決めて指示します。

5.まとめ

高血圧は、血管にかかる圧力が高くなる状態で、自覚症状がないことが多いです。
しかし、放置すると心臓や脳や腎臓などの重要な臓器に障害を引き起こす可能性があります。

高血圧の原因は、遺伝的要因や生活習慣やストレスなどが関係しています。

高血圧の予防や治療には、まずは自分で血圧を測定してみることが大切です。
測定した結果が高い場合や自覚症状がある場合は、医師に相談しましょう。

医師はあなたの高血圧の程度や原因や合併症等を判断し、適切な治療法を指示します。

治療法には、薬物療法や生活習慣の改善やその他の治療法があります。
薬物療法では、降圧作用を持つ薬を服用します。

生活習慣の改善では、塩分やアルコールの摂取量を減らしたり、適度な運動をしたり、喫煙をやめたり、ストレスをコントロールしたりします。
その他の治療法では、電気刺激装置やバルーンカテーテルやラジオ波カテーテル等を使って血管に働きかけたりします。

高血圧は放置すると危険ですが、早期発見・早期治療で合併症を予防することができます。
自分の健康管理に気を付けて、長く健康で快適な生活を送りましょう。

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