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誰でもわかる「ばね指」のすべて!症状、原因、効果的な治療法とセルフケアを徹底解説

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誰でもわかる「ばね指」のすべて!症状、原因、効果的な治療法とセルフケアを徹底解説

「ばね指」の概要

ばね指(弾発指)とは、指の屈筋腱が通るトンネル状の組織である腱鞘に炎症が起こり、指の曲げ伸ばしがスムーズに行えなくなる疾患です。

指の付け根に痛みや腫れが生じ、進行すると指を曲げた状態から伸ばそうとした際に「カクン」とバネが弾けるような引っかかり(ばね現象)が起こるのが特徴です。

特に朝方に症状が強く現れることが多く、手の酷使などが主な原因とされています。

放置すると症状が悪化し、指が動かせなくなる「拘縮」に至るリスクもあるため、「ばね指」の初期症状を見逃さずに適切な対応をすることが重要です。

ばね指の詳細

ばね指のメカニズムと症状の進行

ばね指は、指を曲げる動作を担う「屈筋腱」と、それを覆い骨から浮き上がらないようにする「靭帯性腱鞘」の間で炎症が生じることで起こります。

指の使い過ぎなどにより、腱と腱鞘が過度に摩擦することで炎症が起き、腱鞘が腫れたり、腱の一部が肥大したりします。

この腱の太くなった部分が狭くなった腱鞘のトンネルを通過する際に引っかかりが生じ、指の動きが妨げられます。

初期の段階では、手のひら側の指の付け根に軽い痛み、腫れ、熱感、または指の曲げ伸ばし時の違和感を感じる程度です。

症状が進行すると、指の動きがさらにスムーズさを欠き、無理に指を伸ばそうとした瞬間にカクンと勢いよく伸びる「ばね現象」が現れます。

重症化すると、指が曲がったまま、あるいは伸びきったまま動かせなくなる状態に陥ることもあります。

親指、中指、薬指に多く発症する傾向がありますが、どの指にも起こる可能性があります。

ばね指の主な原因とリスク要因

ばね指の最大の原因は、手の使い過ぎによる腱や腱鞘への継続的な負荷です。

具体的には、パソコンやスマートフォンの長時間操作、家事(特に水仕事や料理)、ピアノなどの楽器演奏、ゴルフやテニスなどの手を使うスポーツなどが挙げられます。

また、手の酷使以外にも、以下のような要因が発症リスクを高めるとされています。

  • ホルモンバランスの変化: 更年期を迎えた女性や、妊娠・出産期の女性は、ホルモンバランスの変化により腱や腱鞘の組織が影響を受けやすく、発症しやすいことが知られています。
  • 基礎疾患: 糖尿病や関節リウマチ、人工透析を受けている患者の方も、血流の悪化などにより腱や腱鞘の健康が損なわれやすいため、ばね指を発症しやすい傾向があります。
  • 加齢: 年齢を重ねることで腱や腱鞘の組織が弱くなり、わずかな負荷でも炎症を起こしやすくなります。
  • 栄養不足: 直接的な原因ではありませんが、タンパク質やビタミンB群、C、Eなどの栄養素の不足は、腱や神経の修復力、炎症の回復を遅らせる要因となる可能性があります。

ばね指の治療法とセルフケア

ばね指の治療は、症状の進行度に応じて保存的療法と手術療法に分けられます。

初期や軽症の場合には、まず保存的療法が選択されます。

1. 保存的療法

  • 安静: 最も重要な治療法の一つで、指の酷使を避け、患部に負担をかけないようにします。場合によっては、サポーターやテーピングなどで指を一時的に固定することもあります。
  • 薬物療法: 炎症を抑え痛みを和らげるために、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の湿布や塗り薬、内服薬が処方されます。
  • 腱鞘内ステロイド注射: 強い痛みやばね現象が現れている場合、腱鞘内にステロイド薬と局所麻酔薬を注入する注射が非常に有効で、高い即効性が期待できます。ただし、繰り返しの注射は組織を弱める可能性があるため、頻度には注意が必要です。
  • 温熱療法・アイシング: 炎症による熱感や腫れが強い急性期にはアイシングで冷却し、慢性的なこわばりや血行不良が原因の痛みには温熱療法で温めることが推奨されます。
  • ストレッチ: 痛みが落ち着いている時期に、指や手首をゆっくりと優しく広げるストレッチを行うことで、指の動きを改善し、拘縮の予防に役立ちます。

2. 手術療法

保存的療法で改善が見られない場合や、再発を繰り返す場合、指が完全に動かなくなってしまった重症例では、手術が検討されます。

手術は、狭くなった腱鞘を切開し、腱の引っかかりを解消する腱鞘切開術が一般的です。

局所麻酔下で短時間で行われることが多く、術後はリハビリテーションにより機能回復を目指します。

ばね指の参考動画

ばね指のまとめ

ばね指は、指をよく使う現代人にとって、特に女性や特定の基礎疾患を持つ方にとって他人事ではない一般的な疾患です。

初期の軽い痛みや朝のこわばりといったサインを見逃さず、手指を休ませる安静を心がけることが、重症化を防ぐ鍵となります。

セルフケアとして、症状に応じたアイシングや温熱ケア、そして無理のない範囲でのストレッチを取り入れることが改善に繋がります。

もし、ばね現象が強く現れたり、痛みが日常生活に支障をきたすほどになったりした場合は、放置せずに整形外科などの専門医に相談することが大切です。

早期に適切な診断と治療を受けることで、多くの場合、症状の改善が期待でき、快適な手の動きを取り戻すことができます。

あなたの手の健康を守るために、日々の生活習慣を見直し、指への負担を軽減する意識を持ちましょう。

ばね指の関連トピック

腱鞘炎(けんしょうえん): ばね指も腱鞘炎の一種ですが、一般的に手首や他の関節で起こる腱の炎症全般を指します。

ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎): 手首の親指側で起こる腱鞘炎で、親指を動かした際に手首に痛みが生じるのが特徴です。

ヘバーデン結節: 指の第一関節(DIP関節)が変形したり、腫れたりする原因不明の疾患で、特に更年期の女性に多く見られます。ばね指と併発することもあります。

手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん): 手首にある手根管というトンネル内で正中神経が圧迫されることにより、指にしびれや痛みが起こる疾患です。

ばね指の関連資料

ばね指の悩みを解消する!―痛む、曲がらない、伸ばせない、こわばる: 酒井慎太郎氏による著書で、ばね指の原因や対処法、セルフケアのストレッチなどがやさしく解説されています。

手指の痛み・しびれ・はれ・変形 自力でよくなる! 名医が教える最新1分体操大全: ヘバーデン結節や腱鞘炎、そしてばね指などの手指の痛みに焦点を当てた体操やセルフケアを紹介している書籍です。

手外科シリーズ 3. ばね指 (弾発指): 日本手外科学会が発行している専門的な資料で、より詳細な病態や治療法について知ることができます。

ご注意:これは情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。

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