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【急いで病院へ!】蜂窩織炎(ほうかしきえん)の恐ろしさ:症状、原因、重症化リスクと正しい治療法

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【急いで病院へ!】蜂窩織炎(ほうかしきえん)の恐ろしさ:症状、原因、重症化リスクと正しい治療法

蜂窩織炎の概要

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、皮膚の深い層(真皮深層)から皮下脂肪組織にかけて、細菌が侵入し急速に広がる急性化膿性炎症です。

主な原因菌は、黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌といった身近な細菌で、皮膚の小さな傷や水虫などから侵入します。

症状は、患部の発赤、腫れ、強い痛み、熱感を伴い、発熱や悪寒などの全身症状を伴うことも少なくありません。

特に下肢(すねや足の甲)に多く発生しますが、顔や腕など体のどの部位にも生じます。迅速な抗菌薬治療が必要であり、放置すると重症化し、敗血症などの命に関わる状態に進行するリスクがあるため、注意が必要です。

蜂窩織炎の詳細

蜂窩織炎の発生メカニズムと主な原因菌

蜂窩織炎は、皮膚のバリア機能が破れた場所から細菌が侵入することで発症します。

1. 細菌の侵入経路

  • 皮膚の小さな傷: 虫刺され、引っ掻き傷、擦り傷、ひび割れなど、目に見えないほどの小さな傷から細菌が侵入します。
  • 皮膚疾患の悪化: **水虫(足白癬)**やアトピー性皮膚炎、その他の湿疹などをかき壊した部分から菌が入り込むことが非常に多いです。
  • 免疫力の低下: 糖尿病、腎臓病(透析患者)、免疫抑制剤を使用している方、高齢者、リンパ浮腫を持つ方は、免疫力が低下しているため、蜂窩織炎を発症しやすく、重症化しやすい傾向があります。

2. 主要な原因菌

最も頻度の高い原因菌は、黄色ブドウ球菌と**化膿レンサ球菌(A群β溶血性レンサ球菌)**の2種類です。これらは通常、皮膚や粘膜に常在している細菌ですが、防御機構が破れると感染症を引き起こします。

症状:急速な進行と全身症状

蜂窩織炎の症状は局所的な炎症から始まり、急速に周囲に拡大するのが特徴です。

  • 局所症状:
  • 発赤(紅斑)と腫れ: 患部の皮膚が境界不明瞭に赤く腫れ上がり、腫れが強くなると皮膚の表面がオレンジの皮のように細かくブツブツとした外観(橙皮状皮膚)を呈することがあります。
  • 熱感と痛み: 患部は触ると熱く、強い圧痛(押すと痛む)を伴います。
  • 水疱・膿瘍: 炎症が強い場合、水ぶくれ(水疱)や膿のかたまり(膿瘍)ができることがあります。
  • 全身症状:
  • 発熱・悪寒: 細菌が体内で増殖することで、高熱や悪寒(震えを伴う)などの全身症状を伴うことが多く、重症化のサインです。
  • 倦怠感・頭痛: 全身の倦怠感や頭痛、関節痛などを訴えることもあります。
  • リンパ節炎: 感染部位に近いリンパ節が腫れて、押すと痛むようになります(所属リンパ節腫脹)。

蜂窩織炎の治療法と注意点

蜂窩織炎は細菌感染症であるため、治療の基本は抗菌薬の投与と安静です。

1. 抗菌薬による治療

  • 軽症: 軽症の場合は、原因菌に有効な抗菌薬の内服で治療します。治療期間は炎症の程度によりますが、通常5日から14日程度です。
  • 重症: 症状が強い場合、発熱などの全身症状がある場合、あるいは基礎疾患があり重症化のリスクが高い場合は、入院して点滴による抗菌薬の全身投与が必要です。これは、抗菌薬を血液中に直接送ることで、急速に細菌の増殖を抑えるためです。
  • 膿瘍の処置: 患部に膿瘍(膿のかたまり)が形成された場合は、切開手術を行い、膿を排出する処置が必要になります。

2. 局所の管理と安静

  • 安静と高挙: 患部、特に下肢の蜂窩織炎では、安静にして運動や長時間の立ち仕事を避け、横になって**足を心臓より高く挙げる(高挙)**ことで腫れを早く引かせることが重要です。
  • 冷却: 炎症による熱感が強い場合は、患部を冷やす(アイシング)ことも痛みの緩和に有効です。

蜂窩織炎を放置するリスクと予防法

蜂窩織炎を放置すると、感染がさらに深部の組織(筋膜など)に及ぶ壊死性筋膜炎や、細菌が血液中に入り全身に広がる敗血症へと進行し、生命に関わる重篤な状態になる可能性があります。

1. 予防の基本

  • スキンケア: 皮膚のバリア機能を高めることが最も重要です。特に足の水虫や、乾燥によるひび割れ、湿疹などの皮膚疾患は放置せず、早期に治療しましょう。保湿剤などを用いた日頃のフットケアが大切です。
  • むくみ対策: むくみ(浮腫)は細菌が増殖しやすい環境を作るため、蜂窩織炎の再発や重症化のリスクを高めます。下肢の高挙や弾性ストッキングの着用、原因となる心臓や腎臓の病気の管理など、日頃からむくみ対策を行うことが重要です。

蜂窩織炎の参考動画

蜂窩織炎のまとめ

蜂窩織炎は、皮膚の深い部分の細菌感染症であり、進行が早く、重症化すると命に関わる可能性があるため、緊急性の高い病気です。

「急に足が赤く腫れて熱を持ち、強い痛みがある」「発熱や悪寒を伴う」といった症状が出た場合は、迷わず皮膚科や内科、または総合病院を受診してください。自己判断で様子を見たり、市販薬で済ませたりすることは危険です。

日頃から皮膚を清潔に保ち、小さな傷や水虫を放置しないこと、そしてむくみ対策を徹底することが、蜂窩織炎の予防に繋がります。あなたの皮膚を守るために、早期発見・早期治療の意識を持ちましょう。

蜂窩織炎の関連トピック

丹毒(たんどく): 蜂窩織炎と同様にレンサ球菌などが原因の細菌感染症ですが、真皮の比較的浅い部分で炎症が起こり、皮膚の赤み(紅斑)の境界が比較的はっきりしているのが特徴です。

壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん): 蜂窩織炎よりもさらに深部の筋膜にまで感染が及び、組織が壊死する極めて重症で緊急性の高い感染症です。

リンパ浮腫: リンパ管の機能障害により、手足などにむくみが生じる状態で、皮膚のバリア機能が低下し蜂窩織炎を合併・再発しやすいリスク要因となります。

敗血症(はいけつしょう): 細菌が血液中に侵入し、全身に広がることで、多臓器不全などを引き起こす命に関わる重篤な病態です。

蜂窩織炎の関連資料

徹底深掘り!蜂窩織炎 ジェネラリストのための皮膚軟部組織感染症診療ガイド: 蜂窩織炎をはじめとする皮膚軟部組織感染症の診断や治療法について、専門的に解説された書籍です。

「蜂窩織炎」|MSDマニュアル家庭版: 蜂窩織炎の症状や治療について、一般の方向けに分かりやすくまとめられた情報です。

皮膚科学関連の専門書: 細菌感染症を含む皮膚疾患全般について詳細な情報が記載されています。

ご注意:これは情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。

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