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ステルス増税とは?気づかぬうちに手取りが減る「見えない負担増」の正体と具体例を徹底解説!

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ステルス増税とは?気づかぬうちに手取りが減る「見えない負担増」の正体と具体例を徹底解説!

「ステルス増税」の概要

ステルス増税とは、政府が「増税します」と明確に宣言することなく、国民が気づきにくい形で実質的な税金や社会保険料の負担を増やす手法を指す言葉です。

これは正式な法律用語ではありませんが、メディアや専門家によって広く使われています。

消費税の税率引き上げのように分かりやすい増税とは異なり、控除(こうじょ)の縮小や社会保険料の段階的な引き上げなど、複雑な制度変更を通じて行われるため「ステルス(隠密)」と呼ばれます。

多くの人が「給与(額面)は上がったはずなのに、手取りが増えない」と感じる大きな原因の一つとされています。

「ステルス増税」の詳細

なぜ「ステルス」と呼ばれるのか?

ステルス増税がこの名前で呼ばれる理由は、その手法の巧妙さにあります。

消費税増税や所得税率の引き上げは、国民の強い反発を招きやすく、政権にとって政治的なリスクが大きいです。

しかし、ステルス増税は、社会保障制度全体の改正や、他の減税措置とセットで行われるなど、国民の注意が向きにくい複雑な変更に紛れ込ませて実施されることが多いです。

また、一度に大きな負担増を課すのではなく、毎年少しずつ(段階的に)負担を引き上げるため、家計への影響を実感しにくいという特徴もあります。

ステルス増税の主な手口と具体例

ステルス増税は、主に「税金」そのものを増やす方法と、「社会保険料」という税金以外の負担を増やす方法の二種類に大別されます。

1. 社会保険料の引き上げ

最も代表的なステルス増税の手法です。

健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料などは、実は毎年少しずつ保険料率が見直され、上昇傾向にあります。

これらは「税金」という名前ではありませんが、給与から天引きされるため、国民にとっては税金と同じ「手取りを減らす」要因です。

会社員の場合、社会保険料は会社と折半(労使折半)しているため、個人が気づく負担増以上に、企業側の負担も重くなっています。

2. 各種「控除」の縮小・廃止

これは税金を計算する上での「ステルス」な手法です。

税率(%)そのものを上げなくても、税金を計算する「元」となる「課税所得」を増やすことで、結果的に納税額を上げることができます。

そのために使われるのが、課税所得を減らす効果を持つ「控除」の縮小です。

例えば、過去には配偶者控除の見直しや、給与所得控除の縮小(サラリーマンの経費とみなされる部分の縮小)などが行われてきました。

控除が減れば、同じ年収でも課税所得が増えるため、自動的に所得税や住民税が増えることになります。

3. 新しい負担金の創設

「税金」とは別の名前で、新たな負担金を創設するケースです。

最近の例では、少子化対策の財源として、公的医療保険(健康保険)の仕組みを使って徴収される「子ども・子育て支援金」が創設されました。

政府は「実質的な負担は生じない」と説明することもありますが、保険料に上乗せされる形で新たな負担が発生するため、これもステルス増税の一種だと広く指摘されています。

他にも、電気料金に含まれる「再エネ賦課金」や、住民税に上乗せされる「森林環境税」なども、実質的な国民負担として機能しています。

4. 既存制度の複雑な変更

一見すると国民に利益があるように見せかけたり、非常に分かりにくく変更したりする手法です。

例えば、防衛費増額の財源として、「復興特別所得税」の税率を1%引き下げる代わりに、その課税期間を大幅に延長し、同時に新たな付加税(防衛目的)を創設するといった案が議論されました。

これは非常に複雑で、多くの国民が実質的な負担増に気づきにくい例です。

参考動画

まとめ

ステルス増税は、単一の政策ではなく、社会保険料の引き上げ、各種控除の見直し、新たな負担金の創設といった様々な手法の組み合わせによって、私たちの「可処分所得(手取り)」を静かに圧迫しています。

その背景には、少子高齢化による社会保障費の増大や、防衛費の確保といった国の財源不足があります。

政治的な痛みを伴う「増税」という言葉を避けながら実質的な負担を求めるこうした動きは、今後も続くと予想されます。

私たちにできる対策は、まず自分の給与明細をしっかり確認し、「税金」や「社会保険料」として毎月いくら引かれているかを正確に把握することです。

その上で、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用した資産防衛や、家計の見直し(固定費削減など)を検討することが、「見えない負担増」から生活を守るために重要です。

関連トピック

社会保険料: 健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料の総称です。

税金ではないものの、実質的に「第二の税金」と呼ばれ、ステルス増税の議論の中心となります。

子ども・子育て支援金: 2026年度から徴収が始まる、少子化対策の財源です。

医療保険料に上乗せされる形で徴収されるため、ステルス増税の代表例として注目されています。

所得控除: 税金を計算する際に、所得から差し引くことができる金額のことです。

(給与所得控除、配偶者控除、生命保険料控除など)

この控除額が減らされると、実質的な増税となります。

可処分所得(手取り): 給与の総額(額面)から、税金(所得税・住民税)と社会保険料を引いた、私たちが実際に使えるお金のことです。

ステルス増税は、この手取りを減らす直接的な原因となります。

関連資料

自分の給与明細: 最も身近な資料です。

「控除」の欄に記載されている健康保険料、厚生年金、所得税、住民税の金額が、前年と比べてどう変わっているかを確認することが第一歩です。

税制改正大綱: 毎年12月頃に与党(現在は自民党・公明党)が発表する、翌年度以降の税金に関する方針をまとめた公式文書です。

控除の見直しなど、ステルス増税の「種」の多くはここに記載されます。

『週刊東洋経済』や『週刊SPA!』などのビジネス・情報誌: 経済専門誌や週刊誌では、定期的に「ステルス増税」や「手取り減少」といったテーマで特集が組まれることが多く、具体的な事例を知るのに役立ちます。

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