誰でもわかる「しし座流星群」！大出現の歴史、2025年の見頃、観測のコツを徹底解説

「しし座流星群」の概要

しし座流星群（Leonid Meteor Shower）は、毎年11月上旬から下旬にかけて活動し、11月17日〜18日頃に極大を迎える主要な流星群の一つです。

放射点（流星が飛び出してくるように見える中心点）がしし座の$γ$星付近にあることから、この名前が付けられています。

この流星群の最大の特徴は、流星の速度が秒速約71kmと、主要な流星群の中で最も速いことです。

その速さゆえに、流星は非常に明るく、時に火球（ひときわ明るい流星）として観測され、光の跡である流星痕がしばらく空に残ることもあります。

普段の出現数は比較的穏やかですが、約33年ごとに周期的に流星嵐（1時間あたり数千個の流星が出現する現象）と呼ばれる大出現を見せることで特に有名です。

しし座流星群の母天体は、テンペル・タットル彗星（55P/Tempel-Tuttle）です。

この彗星が太陽に近づく際に放出した塵の帯が地球の軌道と交差することで、流星群として観測されます。

テンペル・タットル彗星の公転周期が約33年であるため、地球が彗星の新しい塵の帯に突入すると、大規模な大出現（流星嵐）が発生する可能性があります。

過去には、1833年や1966年、そして比較的最近では1999年や2001年に歴史的な大出現が記録され、多くの人々に感動を与えました。

2025年のしし座流星群は、極大時刻が11月18日の未明から明け方（日本時間3時ごろ）と予測されています。

この年は月明かりの影響が小さく、観測条件は最高とされています。

大出現の年ではありませんが、通常よりもやや出現数が増加する可能性も予想されており、注目されています。

流星の速度が非常に速いため、青緑色の長い軌跡や、しばらく空に残る流星痕が見られるかもしれません。

観測する際は、しし座が昇ってくる東の空を中心に、空全体を広く見渡すようにしましょう。

流星は放射点から飛び出して見えますが、夜空のどこにでも現れるため、一点を見つめるのではなく、ぼんやりと広い範囲を眺めるのがコツです。

流星群の観測に双眼鏡や天体望遠鏡は不向きです。

流星は非常に速く、狭い視野内に偶然入る確率は低いため、肉眼で空全体を眺めるのが最も効果的です。

目を暗闇に慣らすために、観測を始めてから最低15分間は空を見上げ続けることが推奨されています。

また、11月は夜間の冷え込みが厳しいため、万全な防寒対策（暖かい服装、毛布、温かい飲み物など）を忘れずに行いましょう。

街灯などの人工の光を背にし、できるだけ暗い場所で観測すると、より多くの流星を見ることができます。

しし座流星群は、その圧倒的な速さと、歴史的な大出現の記録により、常に人々の関心を集めてきた流星群です。

特に流星嵐の年は、まさに夜空を埋め尽くすような光景で、観測者に強烈な印象を与えてきました。

普段の年でも、その速さゆえの明るい火球や流星痕が見られるチャンスがあり、流星観測の醍醐味を味わうことができます。

2025年は観測条件が良いため、「しし座流星群を見たことがない」という方は、ぜひこの機会に夜空を見上げてみてください。

天体現象は私たちに宇宙の雄大さと時間の流れを感じさせてくれます。

夜空を見上げ、地球が宇宙空間を旅していることを実感し、感動を共有してみてはいかがでしょうか。