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【徹底解剖】なぜロシアは制裁でも「経済破綻」しないのか?中国「経済崩壊」説の嘘と本当の危機レベルを解説

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【徹底解剖】なぜロシアは制裁でも「経済破綻」しないのか?中国「経済崩壊」説の嘘と本当の危機レベルを解説

ロシアと中国の経済現状に関する概要

ウクライナ侵攻から数年が経過しました。開戦当初、西側諸国による強力な経済制裁を受け、「ロシア経済は数ヶ月以内に崩壊し、戦争継続は不可能になる」と多くの専門家やメディアが予測しました。しかし、現実はどうでしょうか。ロシアは現在も侵攻を続け、見かけ上の経済成長率すらプラスを維持しています。
一方で、隣の大国・中国に対しても「不動産バブル崩壊で経済は終わる」といった極端な論調が絶えません。

なぜ専門家の予測は外れたのでしょうか? 本当に彼らはピンチなのか、それとも私たちが「見たい現実」しか見ていなかったのでしょうか?
本記事では、ロシアが制裁を生き延びている「3つのカラクリ」と、中国経済が抱える本当の病巣について、感情論を排した経済データの視点から徹底的に分析します。

詳細:制裁の抜け穴と構造的な停滞

パート1:ロシア経済の「不死身」の謎

SWIFT排除、資産凍結、輸出規制。これほどの制裁を受ければ、普通の国なら即死状態です。しかし、ロシアは以下の3つの要因により、経済を回し続けています。

1. 「抜け穴」とグローバル・サウスの存在

西側諸国(G7など)はロシアとの取引を停止しましたが、世界にはそれ以外の国々(グローバル・サウス)がたくさんあります。中国やインド、トルコなどは、割安になったロシア産の原油や天然ガスを喜んで買い支えました。
また、「並行輸入」と呼ばれる手法で、第三国を経由して半導体や部品がロシアに流れ込んでおり、完全な経済封鎖は事実上不可能だったのです。

2. 「軍事ケインズ主義」による見せかけの好景気

現在、ロシアのGDPを押し上げているのは「戦争」そのものです。政府が巨額の予算を投じて戦車や砲弾を製造し、兵士に高額な給料を支払うことで、数字上の経済活動は活発化しています。
これを経済学では「軍事ケインズ主義」と呼びます。しかし、これは国民の生活を豊かにする消費ではなく、戦場で消えてなくなるものへの浪費です。見かけの数字は良くても、インフレや人手不足により、市民生活の質はじわじわと低下しています。

3. 優秀なテクノクラート(技術官僚)の存在

ロシア中央銀行のナビウリナ総裁をはじめとする経済官僚たちが、極めて有能であったことも見逃せません。彼らは開戦直後のルーブル暴落に対し、矢継ぎ早に金利引き上げや資本規制を行い、金融システムの崩壊を食い止めました。プーチン大統領の戦争を、皮肉にも優秀な経済のプロたちが支えているのです。

パート2:中国経済「崩壊寸前」は本当か?

「中国はもう終わりだ」というニュースも頻繁に目にしますが、こちらも実態を冷静に見る必要があります。

  • 「リーマンショック」とは違う: 中国恒大集団などの不動産大手破綻は深刻ですが、中国でアメリカのような「金融システムの連鎖崩壊(リーマンショック)」が起きる可能性は低いとされています。なぜなら、中国の主要銀行は国有であり、政府が強権的にコントロールできるからです。彼らは痛みを先送りし、爆発を防ぐことができます。
  • 「崩壊」ではなく「日本化(静かな衰退)」: 中国が直面しているのは、劇的な崩壊ではなく、かつての日本が経験したような「バブル崩壊後の長期停滞」です。少子高齢化、若者の高い失業率、不動産不況によるデフレ圧力。これらはボディブローのように効いてきますが、明日すぐに国が潰れる類のものではありません。
  • EV(電気自動車)などの製造業は好調: 不動産はボロボロですが、EV、バッテリー、ソーラーパネルなどの「新しい製造業」においては、中国は依然として世界最強の競争力を持っています。この「二極化」を見誤ると、中国の実力を見くびることになります。

ロシアと中国の「共依存」リスク

西側から締め出されたロシアは、経済の中国依存を深めています。中国にとっても、安価なエネルギー源であるロシアは重要です。
この「権威主義国家の経済ブロック」が形成されつつあることで、西側の制裁効果は相殺され、世界経済の分断は長期化の様相を呈しています。

結論:即死はしないが、未来は暗い

ロシアも中国も、政府による強力な介入によって「急死」は免れています。しかし、それは「健康」であることを意味しません。
ロシアは戦争のために将来の成長資金を食いつぶし、中国は構造的な成長鈍化に苦しむ。両国とも「ゆっくりとした衰退(Slow Burn)」のプロセスに入っていると見るのが、最も現実的な分析でしょう。

経済情勢の参考動画

まとめ

「独裁国家は脆い」と信じたい心理が、当初の「即時崩壊論」を生みました。しかし、現実はより複雑で粘り強いものです。
ロシアは戦争特需というドーピングで倒れず、中国は国家統制というギプスで骨折を隠しています。
私たち日本や西側諸国に必要なのは、「相手はすぐに自滅するだろう」という楽観論を捨て、分断された世界で長期戦を戦い抜くための、経済安全保障の再構築です。彼らの経済は簡単には崩壊しませんが、輝かしい未来もまた、そこにはないのです。

関連トピック

並行輸入(へいこうゆにゅう)
正規の代理店ルートを通さず、第三国の業者などが別のルートで商品を輸入すること。ロシアはこれを合法化し、制裁対象となっているiPhoneや高級車、半導体などを周辺国(カザフスタンやトルコなど)経由で調達している。

中所得国の罠
中国経済が直面する課題。新興国が経済発展し、ある程度の所得水準に達すると、人件費の高騰などで競争力を失い、先進国入りできずに成長が停滞する現象。

バランスシート不況
バブル崩壊後の日本や現在の中国の状態。借金の返済が優先され、企業や個人が投資や消費を行わなくなるため、経済全体が縮小してしまう不況のタイプ。

関連資料

書籍『専制国家の経済学』
なぜ非民主的な国家でも経済成長が可能なのか、そしてなぜ最終的には行き詰まるのかを歴史的に分析した書籍。

書籍『中国経済の「見えない」真実』
公式統計には表れない中国経済の実態を、電力消費量や貨物輸送量などの代替データから読み解く分析書。

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