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新基準原付は燃費が悪化する?「125cc化で排ガスが増える」という矛盾と真実を徹底検証

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新基準原付は燃費が悪化する?「125cc化で排ガスが増える」という矛盾と真実を徹底検証

「新基準原付」の燃費と排ガスに関する概要

2025年から導入される「新基準原付」。これは従来の50ccエンジンが最新の排ガス規制をクリアできなくなるため、125ccエンジンの出力を50cc並み(最高出力4kW以下)に制限して「原付一種」として扱う新しい枠組みです。

しかし、ここで一つの大きな疑問が生まれます。「排気量が2倍以上の125ccになれば、燃費は悪くなるのではないか?」「もし燃費が悪くなるなら、より多くのガソリンを燃やすことになり、結果として排ガス量も増えて本末転倒ではないか?」という点です。

本記事では、この素朴な疑問に対し、エンジンの仕組みや規制の本当の目的(有害物質の除去)という観点から徹底的に検証し、新基準原付の「燃費」と「環境性能」の真実に迫ります。

詳細:排気量アップと環境性能のパラドックス

なぜ50ccでは排ガス規制をクリアできないのか?

まず、前提としてなぜ「50ccが廃止」され「125ccの出力制限」へ移行するのか、その技術的な背景を理解する必要があります。2025年の規制(令和2年排出ガス規制)は非常に厳しく、特に排ガスに含まれる有害物質(一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物)の除去が求められます。

これを除去するには「触媒(キャタライザー)」という装置をマフラー内に設置し、高温(約300℃以上)で化学反応を起こす必要があります。しかし、50ccエンジンは排気エネルギーが小さすぎて、触媒が温まるのに時間がかかります(約4分ほど)。この「触媒が冷えている時間」に有害物質が垂れ流しになってしまうため、規制をクリアできないのです。

対して125ccエンジンは排気熱量が十分にあるため、エンジン始動直後から触媒を早期に活性化でき、有害物質をクリーンにすることができます。つまり、今回の変更は「エンジンの大きさ」の問題ではなく、「触媒を温める熱量」の問題なのです。

疑問検証①:125ccになると燃費は悪化するのか?

結論から言うと、「車種によるが、従来の50ccとほぼ同等か、わずかに低下する程度」に収まると予測されています。これには2つの相反する要素が関係しています。

【燃費が悪化する要因】

  • 車重の増加: 125ccベースの車体になるため、フレームやタイヤが大きくなり、重量が増えます。重いものを動かすには多くのエネルギーが必要です。
  • 摩擦抵抗: 50ccに比べてピストンなどの部品が大きいため、エンジン内部の摩擦(フリクション)は物理的に増えます。

【燃費が悪化しない(相殺する)要因】

  • 最新エンジンの効率性: 従来の50ccエンジンの多くは設計が古いのに対し、現行の125ccエンジン(ホンダのeSP+やヤマハのBLUE COREなど)は最新の低燃費技術が詰め込まれています。
  • 余裕のあるトルク: 出力を制限しているとはいえ、元が125ccなので低回転からのトルク(押し出す力)には余裕があります。アクセルを全開にしなくても進むため、無駄な燃料消費を抑えられます。

ホンダのスーパーカブを例に見ると、現行50ccの実用燃費(WMTCモード)が約69km/Lに対し、125ccモデルは約67km/L程度です。新基準原付はこの125ccエンジンをベースに出力を絞るため、劇的な燃費悪化はなく、誤差の範囲に収まると考えられます。

疑問検証②:燃費が悪いなら、排ガス総量は増えるのでは?

ここがユーザーが最も矛盾を感じるポイントです。「燃費が悪い=ガソリンを多く燃やす=排ガスが増える」という図式は、CO2(二酸化炭素)に関しては正解です。しかし、排ガス規制がターゲットにしているのはCO2だけではありません。

今回の規制の主眼は、人体に有害な「一酸化炭素(CO)」「炭化水素(HC)」「窒素酸化物(NOx)」を減らすことです。

  • 50ccの場合: ガソリンを燃やす量は少ない(CO2は少ない)が、触媒が効かないため、有害なHCやNOxをそのまま撒き散らしてしまう。
  • 新基準原付(125cc)の場合: ガソリンを燃やす量は同等か微増(CO2は同等か微増)だが、触媒が強力に働くため、有害なHCやNOxはほぼ無害な水や窒素に分解されてから排出される。

つまり、「空気の汚れ(毒性)」という観点では、新基準原付の方が圧倒的にクリーンなのです。ガソリン消費量がわずかに増えたとしても、大気汚染物質を90%以上カットできるなら、環境対策としては成功と言えます。これが「燃費と排ガス規制の矛盾」に対する回答です。

新基準原付のメリットとデメリット

燃費と環境性能以外にも、ユーザーへの影響があります。

【メリット】

  • 走行安定性: タイヤが太く、フレームがしっかりしているため、段差や横風に強い。
  • 安全性: 125ccクラスのブレーキ性能やサスペンションが装備されるため、制動力が高い。
  • 部品供給: 世界的に主流な125ccと部品を共有できるため、将来的な修理部品の確保が容易。

【デメリット】

  • 取り回しの重さ: 車体が大きくなるため、駐輪場での押し引きやスタンド掛けが少し重くなる。
  • 足つき性: シート幅が広くなる傾向があり、小柄な人は足つきが悪くなる可能性がある。
  • 価格: 車体自体が高性能になるため、車両価格が上昇する傾向にある(ただしメーカーは50cc同等の価格帯を目指して調整中)。

新基準原付の参考動画

まとめ

「新基準原付」への移行は、一見すると「大きなエンジンで出力を絞る」という無駄な行為に見えるかもしれません。しかし、その背景には「触媒を機能させて空気をきれいにする」という明確な環境目的があります。

燃費に関しては、最新技術の投入により従来の50ccと遜色ないレベルが維持される見込みです。「ガソリンを少し多く使ったとしても、毒素を出さないほうが環境に良い」という規制のロジックを理解すれば、この変化が必然であることがわかります。2025年以降、私たちの生活の足は、より安全でクリーンな乗り物へと進化していくことになります。

関連トピック

特定小型原動機付自転車:電動キックボードなど、免許不要(16歳以上)で乗れる新しい区分の乗り物。新基準原付とは法的な扱いが全く異なります。

2025年排ガス規制(令和2年規制):バイクの生産終了を加速させている厳しい環境基準。ユーロ5に相当する世界基準のルールです。

二段階右折と30km/h制限:新基準原付になっても、法律上は「原付一種」のままなので、これらの交通ルールは継続して適用されます。

原付二種(125cc):出力制限のない本来の125ccバイク。免許を取得してこちらに乗る方が、30km/h制限がなく快適という選択肢もあります。

関連資料

ホンダ・スーパーカブ110:新基準原付のベースとなることが予想される、世界で最も売れているバイクの現行モデル。

ヤマハ・ジョグ125:軽量なボディで、新基準原付のベース車両としても有力視されるスクーター。

原付免許対策本:これから免許を取る人に向けた、最新の道交法に対応した問題集。

ご注意:これは情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。

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