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排気量が2.5倍ならCO2も2.5倍?新基準原付にまつわる「環境性能の誤解」を解く

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排気量が2.5倍ならCO2も2.5倍?新基準原付にまつわる「環境性能の誤解」を解く

「125cc化=CO2増加」という誤解の概要

「新基準原付」として125ccエンジンが採用されると聞いた時、多くの人が抱く素朴な疑問があります。「排気量が50ccから125ccへと2.5倍になるのなら、排出されるCO2(二酸化炭素)も2.5倍になるのではないか?」というものです。

もしそうなら、環境対策のための規制変更が、逆に地球温暖化を加速させることになってしまいます。しかし、結論から言えばこの心配は無用です。本記事では、エンジンの排気量とCO2排出量の正しい関係性を解説し、なぜ「排気量は増えてもCO2はほとんど増えないのか」というカラクリを科学的に検証します。

詳細:エンジンの大きさとCO2排出量の関係

誤解の核心:「排気量=燃料消費量」ではない

まず、最も重要な事実をお伝えします。CO2の排出量は、エンジンの大きさ(排気量)に比例するのではなく、「燃やしたガソリンの量」に比例します。

化学反応式で見ると、ガソリン(炭化水素)が酸素と結びついて燃えることでCO2が発生します。つまり、シリンダー(エンジンの部屋)がどれだけ大きくても、その中で燃やされるガソリンの量が同じであれば、排出されるCO2の量も同じになります。

「胃袋」と「食事量」の関係

これを人間に例えてみましょう。

  • 50ccエンジン: 小さな胃袋を持つ人
  • 125ccエンジン: 大きな胃袋(2.5倍)を持つ人

ここで、「新基準原付」というルールは、125ccエンジンに対して「50cc並みの仕事しかしなくていい(出力制限)」という指示を出しています。つまり、胃袋が2.5倍の大きさだからといって、食事(ガソリン)を2.5倍食べるわけではないのです。

仕事量(時速30kmで走るなど)が同じであれば、必要なエネルギーも同じです。大きな胃袋を持っていても、食べる量は50cc時代とほとんど変わりません。その結果、食後に排出されるもの(CO2)の量も変わらない、という理屈です。

なぜ燃費(CO2)は変わらないのか?

実際には、125cc化することで車体が少し重くなったり、エンジンの部品が大きくなって摩擦が増えたりするため、わずかに燃料を多く使う(燃費が悪くなる)傾向はあります。しかし、それは数パーセント程度の誤差であり、決して2.5倍になるわけではありません。

逆に、125ccエンジンはパワーに余裕があるため、アクセルを全開にしなくてもスイスイ進みます。50ccエンジンが必死に高回転で回ってガソリンを消費する場面でも、125ccエンジンは低回転で余裕を持って走れるため、結果として燃費(=CO2排出量)が相殺され、ほぼ同等に落ち着くのです。

「排ガスが増える」の本当の意味

前回の記事で触れた通り、今回の規制変更の目的は「CO2(二酸化炭素)」の削減ではなく、人体に有害な「CO(一酸化炭素)」「HC(炭化水素)」「NOx(窒素酸化物)」の削減です。

これら有害物質に関しては、125cc化することで劇的に(90%以上)削減されます。

  • CO2: ガソリン消費量が変わらないので、ほぼ横ばい。
  • 有害物質: 触媒が効くようになるので、激減する。

つまり、新基準原付は「CO2を増やさずに、毒素だけを取り除く」ことに成功した乗り物と言えます。

参考動画

まとめ

「排気量が2.5倍だからCO2も2.5倍」という考え方は、直感的ですが科学的には誤りです。CO2はあくまで「消費した燃料」から生まれるものであり、エンジンの「器の大きさ」だけで決まるものではありません。

新基準原付は、大きな器(125cc)を持ちながらも、中身(出力と燃料消費)を賢くコントロールすることで、従来の50ccと変わらない低燃費・低CO2を実現しています。むしろ、有害な排ガスをクリーンにする能力においては、比較にならないほど高性能に進化しているのです。

関連トピック

カーボンニュートラル:CO2の排出量と吸収量をプラスマイナスゼロにする取り組み。バイク業界も電動化などで目指している目標です。

燃焼効率:エンジンがいかに無駄なくガソリンをエネルギーに変えるかという指標。125ccエンジンは最新技術でこの効率が高められています。

アイドリングストップ:信号待ちなどでエンジンを止め、無駄なガソリン消費とCO2排出を抑える機能。新基準原付の多くに搭載される見込みです。

WMTCモード値:カタログに載っている実走行に近い燃費の測定基準。これを見比べることで、実際のCO2排出量の差を知ることができます。

関連資料

SDGs入門書:環境問題とエネルギーの関係をわかりやすく解説した書籍。

低燃費タイヤ:転がり抵抗を減らし、燃費(CO2削減)に貢献するエコタイヤ。

エンジンオイル添加剤:エンジンの摩擦を減らし、燃費効率を維持するためのメンテナンス用品。

ご注意:これは情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。

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