ベーゴマの魅力再発見!回し方・紐の巻き方から改造の奥深さまで徹底解説
ベーゴマの概要
ベーゴマとは、鋳鉄(ちゅうてつ)で作られたコマの一種で、日本で古くから遊ばれている伝統的な玩具です。
「貝独楽(ばいごま)」がその名の由来とされ、もともとは平安時代にバイ貝の殻に砂や鉛を詰めて回したのが始まりと言われています。
現代のベーゴマは金属製で、専用の紐(ひも)を巻き付けて投げ入れ、床(とこ)と呼ばれる土俵の上でぶつけ合って遊びます。
昭和の子供たちを熱中させたこの遊びは、その奥深さから現代でも愛好会が存在し、子供から大人まで世代を超えて楽しまれています。
ベーゴマの詳細情報
ベーゴマの歴史と種類
ベーゴマのルーツは平安時代にさかのぼり、当初はバイ貝が使われていました。
その後、明治時代に入ると安価な鋳鉄製のものが登場し、大正時代から昭和の高度経済成長期にかけて、子供たちの遊びの主役として全国的に大流行しました。
ベーゴマには様々な種類があり、形によって呼び名が異なります。
背が低く平たい「ペチャ」や、背が高く丸みのある「丸六(まるろく)」、角張った「角六(かくろく)」などが代表的です。
一般的に、背が低いベーゴマは相手の下に潜り込みやすいため、勝負に強いとされています。
また、表面には製造元を示す文字や、様々な模様が刻まれており、コレクションとしての楽しみ方もあります。
ベーゴマの遊び方とルール
ベーゴマで遊ぶために必要な道具は、「ベーゴマ本体」「専用の紐」「床(とこ)」の3点です。
床は、バケツや樽の口にトラックの幌(ほろ)のような丈夫な布を張り、中央が少したわむようにして作られます。
基本的なルールは非常にシンプルです。
「せーの」の掛け声で床の中にベーゴマを投げ入れ、相手のベーゴマを床の外にはじき出すか、自分のベーゴマが最後まで床の上で回り続けていれば勝ちとなります。
負けた相手のベーゴマをもらえる「ホンコ(真剣勝負)」というスリリングなルールも存在しました。
紐の巻き方と回し方のコツ
ベーゴマ最大の難関であり、醍醐味でもあるのが「紐の巻き方」と「回し方」です。
紐の巻き方には、巻き始めの処理によって「男巻き」「女巻き」などと呼ばれる複数の方法があります。
最も一般的とされる「女巻き」は、紐の端に作ったコブをベーゴマの先端に引っ掛け、軸に沿って隙間なくきつく巻いていく方法です。
回す時は、紐の端を小指などに固定し、ベーゴマを親指と人差し指で持ちます。
床に向かってコマ本体を「投げる」のではなく、水平に押し出すようにしながら、素早く紐を「引く」のがコツです。
最初はなかなかうまく回りませんが、練習して勢いよく回った時には「ブーン」という独特のうなり音がします。
奥深い「改造」の世界
現代のベーゴマ遊びを語る上で欠かせないのが「改造」です。
買ったままのベーゴマは重心が安定しなかったり、角が丸かったりして勝負に弱いことがあります。
そのため、愛好家たちはヤスリやグラインダーといった工具を使い、ベーゴマを削って強くしていきます。
側面を鋭く削って攻撃力を高めたり、底面を平らに削って持久力を上げたり、全体のバランスを調整して安定性を高めたりと、その手法は様々です。
中には、ベーゴマを火で熱して硬度を上げる「焼き入れ」を行う本格的な改造もあります。
自分だけの最強のベーゴマを作り上げるカスタマイズ性の高さが、大人をも魅了する大きな理由となっています。
参考動画
まとめ
ベーゴマは、単なる懐かしい昭和の遊びではありません。
紐の巻き方一つ、投げ方一つで回転が変わる技術の奥深さ。
ヤスリで削り、火入れをして、自分だけの一品を作り上げる改造の楽しさ。
そして、床の上で金属同士が激しくぶつかり合い、火花を散らす真剣勝負の迫力。
これらは、デジタルゲームやスマートフォンのアプリでは決して味わうことのできない、五感を使ったリアルな体験です。
一見すると地味かもしれませんが、一度その魅力に触れれば、子供も大人も夢中になること間違いなしの、日本の素晴らしい伝統文化の一つと言えるでしょう。
関連トピック
独楽(こま): ベーゴマを含む、日本や世界各地にある伝統的な回転玩具の総称です。手でひねるもの、紐で回すものなど多種多様です。
けん玉: ベーゴマと同じく、日本で古くから親しまれている伝統玩具です。近年は海外でもスポーツとして人気を博しています。
メンコ: 昭和の子供たちに人気だった遊びの一つです。地面に置いた相手のメンコを、自分のメンコを叩きつけて裏返す遊びです。
ビー玉: ガラス製の玉を使った遊びで、地面で弾き合ったり、穴に入れたりして遊びます。ベーゴマと同様にコレクション性もあります。
関連資料
ベーゴマ(スターターセット): ベーゴマ本体と専用の紐、小型の床(練習用シート)がセットになった商品です。初めての人におすすめです。
ベーゴマ改造用ヤスリ: ベーゴマを削るために使われる金属用のヤスリです。平ヤスリや丸ヤスリなど、用途に応じて様々な形状があります。
ベーゴマ床(とこ): 本格的に対戦を楽しむための土俵です。バケツや樽に丈夫な布を張って自作することもできます。

