🦠インフルエンザの基礎知識：症状、原因、予防接種と重症化リスクを徹底解説

「インフルエンザ」の概要

インフルエンザ（Influenza）は、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症です。

一般的な風邪とは異なり、突然の38℃以上の高熱や、頭痛、関節痛、筋肉痛といった全身症状が強く現れるのが特徴です。

日本では例年12月から3月にかけて流行のピークを迎えますが、空気の乾燥などにより感染が広がりやすい冬場は特に注意が必要です。

感染経路は、主に患者の咳やくしゃみによる飛沫感染ですが、ウイルスが付着した手で粘膜に触れることによる接触感染も起こります。

インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型がありますが、ヒトで流行を起こし、重症化するリスクが高いのは主にA型とB型です。

A型インフルエンザ: ウイルスの変異が起こりやすく、ヒト以外にも感染します。症状が最も激しく、38℃から40℃近い高熱や全身倦怠感が急速に現れやすいのが特徴です。パンデミック（世界的な大流行）の原因となるのは、このA型です。

B型インフルエンザ: ヒトにしか感染が確認されていません。A型ほど高熱は出にくい傾向がありますが、下痢や嘔吐といった消化器症状を伴うことが多いのが特徴です。A型の流行が収まった後、春先に流行することがあります。

C型インフルエンザ: 症状は比較的軽く、風邪と区別がつかないことも多く、重篤な症状を引き起こすことは稀です。一度感染すると終生免疫がつくとされています。

ほとんどの人は1週間程度で回復しますが、乳幼児や高齢者、持病を持つ方などは重症化しやすいリスクがあります。

特に警戒すべき合併症には以下のようなものがあります。

インフルエンザの最も有効な予防策は、予防接種（インフルエンザワクチン）と日常的な感染対策です。

予防接種: 毎年流行する株を予測して製造される不活化ワクチン（主に4価ワクチン：A型2種、B型2種を含む）を接種します。効果がピークに達するまで約2週間かかるため、流行前の11月中の接種が理想的です。
日常の対策: 手洗いやうがいの励行、マスクの着用、そして室内の湿度を50〜60%に保つ加湿や換気が重要です。
治療: 発症後48時間以内に、ウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザ薬（タミフル、リレンザ、イナビルなど）を服用することで、発熱期間の短縮や重症化予防の効果が期待できます。