【私鉄・地下鉄派必見】モバイルPASMOとは?メリット・Suicaとの違い・始め方を徹底解説
「モバイルPASMO」の概要
「モバイルPASMO(モバイルパスモ)」は、首都圏の私鉄や地下鉄、バスを中心とした交通系ICカード「PASMO」の機能を、スマートフォン(iPhone/Android)で利用できるサービスです。
先行していた「モバイルSuica」に続き、2020年にサービスが開始されました。
アプリをインストールすることで、窓口や券売機に並ぶことなく、定期券の購入、チャージ(入金)、改札の通過、電子マネーでの買い物がスマホ一台で完結します。
特に、東京メトロ、東急、小田急、京王、京急などの私鉄・地下鉄沿線に住んでおり、それらの路線だけで完結する定期券を利用しているユーザーにとっては、モバイルSuicaでは購入できない定期券を発行できるため、生活に欠かせない必須ツールとなっています。
「モバイルPASMO」の詳細
モバイルPASMOの導入を検討する上で重要な、具体的なメリット、Suicaとの使い分け、そして利用開始時のポイントについて詳しく解説します。
モバイルPASMO最大の特徴:私鉄・地下鉄のみの定期券
モバイルPASMOを選ぶ最大の理由は、「私鉄・地下鉄・バスのみの定期券」が購入できる点にあります。
モバイルSuicaでも定期券は作れますが、原則として「JR東日本の路線を含む」経路でなければなりません。
そのため、自宅も会社(学校)も私鉄沿線で、JR線を一切使わないルートの定期券をスマホに入れたい場合は、このモバイルPASMO一択となります。
もちろん、鉄道だけでなく、PASMO加盟のバス定期券もアプリから購入可能です。
場所を選ばずチャージ&オートチャージ
券売機で現金をチャージする必要がないのは大きなメリットです。
アプリにクレジットカードを登録すれば、いつでもどこでもチャージが可能です。
さらに、特定のクレジットカード(交通事業者系のカードなど)を登録すれば、「オートチャージ」も設定できます。
改札通過時に残高が設定額を下回っていれば自動的にチャージされるため、残高不足で改札が閉まる心配が永遠になくなります。
モバイルSuicaとの併用(使い分け)
「SuicaとPASMO、どっちを使えばいいの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
結論から言えば、iPhoneや最新のAndroid端末であれば、両方のカードを1台のスマホに入れて使い分けることが可能です。
メインカード(エクスプレスカード)を設定しておけば、改札にかざした時に優先されるカードを決められます。
例えば、「会社の定期券はモバイルPASMO」「個人の買い物やJR利用はモバイルSuica(JRE POINT狙い)」といった高度な使い分けも可能です。
通学定期券の購入もアプリで
サービス開始当初は煩雑だった通学定期券の購入も、現在は非常にスムーズになっています。
学生証や通学証明書をスマホのカメラで撮影してアップロードし、サポートセンターの承認が下りれば、アプリ上で通学定期券を購入できます。
新学期の混雑した駅の窓口に並ぶ必要がなく、保護者のクレジットカードでの代理決済(ワンタイムクレカ決済など)にも対応しているため、親子ともに負担が軽減されます。
注意点:カードからの移行
現在持っているプラスチック製のPASMOカードを、モバイルPASMOに移行(取り込み)することも可能です。
ただし、iPhone(Apple Pay)の場合は移行できるカードが多いですが、Androidの場合はカードからの移行ができず、アプリで新規発行する必要があるケースが一般的です(※機種やカードの種類による)。
また、一体型クレジットカードや一部の企画乗車券など、移行できない種類のカードもあるため、事前に公式サイトでの確認が必要です。
参考動画
まとめ
モバイルPASMOは、首都圏の私鉄・地下鉄ユーザーにとって、通勤・通学を快適にする「切り札」です。
「定期券区間にJRが含まれていないからモバイル化できない」と諦めていた方にとっては、まさに待望のサービスと言えるでしょう。
財布からカードを取り出す手間を省き、残高不足のストレスからも解放されるだけでなく、利用履歴の確認や払い戻し手続きも手元で完結する利便性は、一度使うと手放せません。
JR主体のSuica、私鉄主体のPASMO。
ご自身の生活圏や利用路線に合わせて、最適な一枚(あるいは二枚持ち)を選び、スマートな移動体験を手に入れてください。
関連トピック
モバイルSuica
JR東日本が提供する交通系ICサービスのスマホ版です。JR線を含む定期券を利用する場合や、JRE POINTを貯めたい場合はこちらが推奨されます。
PASMOオートチャージサービス
改札通過時に残高が不足している場合、自動的にクレジットカードからチャージされる機能です。利用するには、パスタウンカードや各鉄道会社の提携クレジットカード(To Me CARD、OPカードなど)が必要です。
Apple Pay / Google Pay
スマホ決済のプラットフォームです。モバイルPASMOはこれらに対応しており、登録したクレジットカードから簡単にチャージしたり、定期券を購入したりすることができます。
FeliCa(フェリカ)
ソニーが開発した非接触ICカード技術です。モバイルPASMOを利用するには、このFeliCaチップ(おサイフケータイ機能)を搭載したスマートフォンが必要です。
相互利用(交通系ICカード)
SuicaやPASMOだけでなく、ICOCA、TOICA、Kitacaなど、全国の主要な交通系ICカードエリアで、モバイルPASMOを使って乗車や買い物が可能です。
関連資料
『PASMOナビ(公式サイト)』
PASMO協議会が運営する公式サイトです。モバイルPASMOの対応機種、定期券の購入手順、キャンペーン情報などが網羅されています。
『交通系カードでおトクにポイントを貯める本』
各鉄道会社が発行するクレジットカードとPASMOの連携によるポイント還元率(メトロポイント、東急ポイントなど)を解説したマネー雑誌やムック本です。
PASMO対応クレジットカード(各種)
「ソラチカカード(To Me CARD)」や「小田急OPクレジットカード」など、オートチャージが可能で、乗車ポイントが貯まる特定のクレジットカード群です。

