まず結論から:楽天は「大赤字の泥沼」を抜け出し、大収穫期へ突入!
ここ数年、ニュースやSNSで「楽天モバイルの赤字がヤバい」「楽天グループ全体がつぶれるのではないか?」といった不安な声をよく耳にしましたよね。日本の通信業界という、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクという超巨大企業が支配する市場にゼロから挑むのは、あまりにも無謀な挑戦だと言われていました。
しかし結論から言えば、その「楽天限界論(倒産リスク)」はすでに完全に過去のものとなりました。
2025年度の最新の決算やデータを見ると、楽天モバイルはついに「1,000万回線」という大台を突破し、事業運営において「自力で生活できる状態(EBITDA黒字化)」を達成しました。さらに、私たちが普段使っている楽天カードや楽天市場といった「楽天経済圏(エコシステム)」の絶好調が合わさり、楽天グループは今、過去の莫大な投資を回収する「大収穫期」へと向かっています。この記事では、楽天がいかにしてこの絶体絶命のピンチを乗り越えたのか、専門用語を極力使わずにわかりやすく解説します!
1. 「楽天はつぶれる」と言われていた理由と、大逆転の証明
なぜあんなに赤字だったのか?
楽天モバイルが事業を始めた当初、日本中にアンテナ(基地局)を建てる莫大なお金(初期投資)がかかりました。さらに、自前のアンテナが建つまでの間、KDDI(au)の回線を借りるための「ローミング接続料」というレンタル代を大量に払わなければなりませんでした。そこへ「1年間無料キャンペーン」などの大盤振る舞いをしたため、モバイル事業はお金が滝のように流れ出ていく巨大な赤字部門になってしまったのです。
この時、バランスシート(会社の家計簿)には1兆円規模の借金が積み上がり、「アンテナが建ち切る前にお金が尽きて倒産するのでは?」と多くの専門家が本気で心配していました。
大逆転の証拠:1,000万回線突破と「EBITDA黒字化」
しかし、2025年から2026年初頭にかけて発表されたデータは、世間の悲観論を根底から覆すものでした。
- 2025年12月25日、ついに「1,000万回線」を突破! 通信事業として一人前と認められるラインをクリアしました。
- 2期連続の営業黒字化! 楽天グループ全体での営業利益が144億円の黒字となりました。
- モバイル事業の「EBITDA(イービットディーエー)」が黒字化!
【解説:EBITDA黒字化とは?】
EBITDAとは、「利払い・税引き・償却前利益」のこと。少し難しいですが、要するに「日々の事業活動で手元のお金(キャッシュ)が減らなくなった状態」を指します。親や銀行から追加でお金を借りなくても、自分の稼ぎだけで日々の生活費(運営費)を賄えるようになった、という自立の証明なのです。これは通信事業にとって、とてつもなく大きな一歩です。
2. どうやって1,000万回線も集めたの?
競合他社も「ahamo(アハモ)」「povo(ポヴォ)」「LINEMO(ラインモ)」といった安くて魅力的なプランを出している中、楽天モバイルはなぜここまで契約数を伸ばせたのでしょうか。
「データ無制限」の圧倒的な強み
他社のプランは「20GBまで」といった上限があり、それを超えると通信速度がガクッと落ちてしまいます。しかし楽天モバイルの最大の強みは、「自社回線エリア内ならデータ無制限で使い放題」という点です。動画をたくさん見たり、パソコンを繋いでネットをする(テザリング)人にとって、通信制限を気にしなくていいのは最強のメリットですよね。
隠れた立役者!「法人契約(B2B)」の大躍進
そして、1,000万回線突破の裏で大きな原動力となったのが「法人(B2B)契約」です。企業向けに提供している「最強プランビジネス」は、圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。
- 30GB:月額3,058円(税込)
- 無制限:月額3,278円(税込)
通信費を少しでも削りたい企業にとって、この価格は破壊的です。さらに、最新のiPhoneが導入でき、テザリングも無料。リモートワークが多い現代の企業にピッタリはまりました。個人のスマホと違い、企業は一度契約すると簡単に解約しない(安定した収入になる)ため、この法人契約の増加は楽天にとって非常に質の高い成長なのです。
3. 巨額の借金はどうなった?「倒産危機」回避のカラクリ
モバイル事業の赤字以上に世間を不安にさせていたのが、「2026年と2027年に集中している、何千億円という借金(社債)の返済期限」でした。「この巨大な借金の壁(債務の崖)を越えられず、デフォルト(債務不履行)になるのでは?」と囁かれていました。
「リファイナンス(借り換え)」の高度なテクニック
結論から言うと、楽天の凄腕の財務チームはこの危機を見事にコントロールしました。2026年分の約2,200億円の返済については、すでに目処が立っています。どうやったかというと、様々な方法で「お金を集める窓口を分散させ、返済期限をズラした」のです。
- 個人投資家向けに「サステナビリティボンド(社債)」を発行
- 資本の一部とみなされる特別な借金「永久劣後債」を発行し、財務の見た目を悪化させずに現金を確保
- 海外の市場でも数千億円規模の米ドル建て社債を発行
さらに、以前に借りた金利の高い借金を「前倒しで返済する(任意償還)」という余裕も見せました。これは投資家たちに「うちには手元に十分な現金があるし、もっと安い金利でお金を借りられるんだよ」という強烈なアピールになり、倒産リスクの不安を一掃したのです。
4. 楽天の本当の恐ろしさは「エコシステム(経済圏)」にあり!
モバイルが血を流している間、楽天を倒産から救い、強固に支えていたのが「楽天エコシステム(経済圏)」です。実は楽天にとって、モバイル事業は単なる電話会社ではなく、「最強の集客ツール」なのです。
フィンテック(金融)の爆発的な成長
2025年の決算を見ると、楽天の金融事業(フィンテック)はすさまじい勢いで成長しています。
- 楽天カード: 取扱高が26.5兆円に拡大!
- 楽天銀行: 口座数は1,763万口座、皆が預けている預金残高は13.2兆円へと積み上がっています。日銀の利上げも追い風になりました。
- 楽天証券: 新NISAブームに乗り、口座数は1,326万を突破(NISA口座だけで700万!)。過去最高の収益を叩き出しています。
「モバイルの赤字」の本当の意味
楽天モバイルを契約すると、楽天市場でもらえるポイントが増える(SPUの優遇)などの大きな特典があります。これをきっかけに、ユーザーは「スマホも、買い物も、クレジットカードも、銀行も、証券も、全部楽天にまとめよう!」と考えます。
つまり、過去のモバイル事業の赤字は、単なる無駄遣いではなく「超優良なお客さんを楽天経済圏に一生囲い込むための、先行投資(広告費)」だったと言えます。モバイルを通じて入ってきた1,000万人のユーザーが、今後何十年も楽天カードを使い、楽天銀行に給料を振り込むようになれば、一人あたりの生涯売上(LTV:顧客生涯価値)は計り知れないものになります。
5. 楽天の今後はどうなる?3つの成長ポイント
最悪の危機を乗り越えた楽天グループは、今後さらに飛躍するフェーズに入ります。
① 2,000億円の投資で「通信品質」を圧倒的に向上!
2026年度、楽天は通信ネットワークを良くするために「2,000億円強(前年の3倍以上!)」という巨額の設備投資を行います。「つながりにくい」というイメージを完全に払拭し、念願のプラチナバンドの本格運用などを進めることで、「メインのスマホ回線」として乗り換える人がさらに加速するでしょう。
② 自社技術を世界へ売る!「楽天シンフォニー」の黒字化
楽天モバイルは、世界で初めて「クラウド技術を活用した新しい携帯ネットワーク(Open RAN)」を作りました。この画期的な技術のノウハウを、海外の通信会社にソフトウェアとして販売しているのが「楽天シンフォニー」という部門です。
実はこの部門も、2025年度に初の黒字化を達成しました!日本でゼロからアンテナを建てて苦労した経験が、今度は利益率の高い「ITシステム販売」として世界中でお金を生み出す大黒柱に育ちつつあるのです。
③ 専門家(アナリスト)の評価も「買い」にシフト
「楽天はつぶれる」と言っていた証券アナリストたちの評価も激変しています。2026年3月時点で、楽天の株を「強気売り」と判断している人はゼロになりました。「強気買い」「買い」というポジティブな評価が目立ち、現在の株価からさらに約3割も上昇する余地がある(目標株価1,012円)と予測されています。プロの投資家たちも、楽天の財務がクリーンになり、利益が出る構造になったことを確信しているのです。
まとめ:新時代のインフラプロバイダーへ
振り返ってみれば、楽天が日本の通信業界という「絶対に破れないと言われた壁」をこじ開けたことは、歴史的な偉業です。
血を流すような巨額の投資フェーズをギリギリの財務テクニックで生き延び、自力で止血(モバイルEBITDA黒字化)し、さらにその1,000万人のユーザーを「楽天経済圏」のロイヤルカスタマーへと変えることに成功しました。
今後は、莫大な借金の返済も進み、グループ全体でAIを活用したさらなるサービス連携が進むことで、利益が飛躍的に伸びていくと予想されます。「安かろう悪かろうのチャレンジャー」から、「私たちの生活と経済圏を支える革新的なインフラプロバイダー」へと進化した楽天グループから、今後も目が離せません!
参考リンク
- 楽天モバイル、契約数が1,000万回線を突破 | 楽天グループ株式会社
- 楽天グループ株式会社2025年度通期および第4四半期決算ハイライトに関するお知らせ
- 楽天グループの2025年度決算は増収減益、楽天モバイルでEBITDA黒字化 – ケータイ Watch
- 楽天モバイルが「通期黒字化」を達成 2026年度は2000億円の設備投資へ – ビジネスネットワーク
- 2025年度通期及び第4四半期決算説明会(連結) 補足資料 – 楽天グループ
- ahamo・povo・LINEMO・楽天モバイルはどれがいい?料金や速度を比較!4社のうち一番お得なのはこれ! – 株式会社スタークラフト
- 楽天モバイルの法人契約「最強プランビジネス」を解説 | 株式会社エクスゲート
- 楽天グループが約3000億円のドル建て社債発行へ|TBS NEWS DIG – YouTube
- 2021 年発行米ドル建ノンコール5年永久劣後特約付社債の任意償還 …
- 楽天グループ(4755)2025年第3四半期 決算分析レポート― 6年ぶりの営業黒字、その裏で静かに積み上がる“財務リスク” – note
- 楽天グループ (4755) : アナリストの予想株価・プロ予想 [Rakuten Group] – みんかぶ
