歴史的快挙！ウクライナ出身・安青錦が涙の初優勝。関脇での栄冠、大関昇進も確実に

安青錦・初優勝の概要

2025年大相撲九州場所にて、ウクライナ出身の関脇・安青錦（あおにしき）が悲願の幕内初優勝を果たしました。

千秋楽の本割で大関・琴櫻を破り、続く優勝決定戦で横綱・豊昇龍を下しての劇的な逆転優勝です。

初土俵から所要14場所での優勝は史上2位のスピード記録であり、ウクライナ出身力士としても初の賜杯となります。

本記事では、安青錦の優勝までの道のり、その強さの秘密、そして母国への想いについて詳しく解説します。

12勝3敗で並んだ横綱・豊昇龍との優勝決定戦は、まさに魂のぶつかり合いでした。

立ち合いで鋭く当たった安青錦は、豊昇龍の投げを堪え、一瞬の隙を突いて背後に回り込み、「送り投げ」で横綱を土俵に這わせました。

本割での大関・琴櫻戦に続く連勝で、関脇の地位での優勝。これは自身の強さを証明すると同時に、来場所の大関昇進を確実なものにする大きな白星となりました。

安青錦（本名：ダニーロ・ヤブグシシン）は、2022年のロシアによる軍事侵攻を逃れて来日しました。

関西大学相撲部での居候生活を経て、元関脇・安美錦が師匠を務める安治川部屋に入門。

「相撲で家族を助けたい」「ウクライナに明るいニュースを届けたい」という一心で土俵に上がり続け、入門からわずか2年あまりで頂点に立ちました。

優勝インタビューで涙ながらに語った「ウクライナの家族、そして日本の皆さんに感謝したい」という言葉は、多くの観客の心を打ちました。

初土俵から所要14場所での幕内最高優勝は、年6場所制定着以降では屈指のスピード記録です。

この急成長を支えたのは、師匠である安治川親方（元安美錦）の指導でした。

「技のデパート」と呼ばれた師匠譲りの多彩な技術に加え、180cm超・140kgの体格を生かした前に出る相撲を磨き上げました。

今場所も3度目の技能賞と初の殊勲賞を獲得しており、その実力は本物です。

安青錦の初優勝は、単なるスポーツの記録を超え、困難に立ち向かう勇気と希望を世界に示しました。

戦火の母国を想いながら異国の地で頂点を極めた若き力士の姿は、多くの人々に感動を与えています。

場所後の臨時理事会を経て、正式に新大関・安青錦が誕生する見込みです。

令和の角界を牽引するニュースターとして、今後の活躍から目が離せません。