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2026年ミラノ五輪の闇:中国の「アスリート爆買い」と金メダリストを襲った「国境を越えた弾圧」の真実

仮説・もしも
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はじめに:純粋なスポーツの祭典の裏側で起きていたこと

皆さんは、2026年に開催されたミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピックをご覧になりましたか?氷上や雪上での熱い戦いに、多くの人が胸を打たれたことでしょう。しかし、この平和の祭典の裏側では、私たちの想像を超える「国家間の見えない戦争」が繰り広げられていました。

【この記事の結論】

ミラノ・コルティナ五輪は、単なるスポーツの競技場ではなく、中国による「才能あるアスリートの金銭的な爆買い(優良選手獲得戦略)」と、自国に批判的な人々を海外まで追いかけて監視・脅迫する「国境を越えた弾圧(トランスナショナル・リプレッション)」が交錯する舞台でした。

本記事では、流出した内部資料や米国司法省の起訴状などの事実に基づき、米国代表として24年ぶりに女子フィギュアスケートで金メダルを獲得したアリサ・リュウ選手が受けた陰湿なスパイ工作と、中国代表として莫大な報酬を得るアイリーン・グー選手の対照的な現実を通じて、スポーツを利用した国家戦略の「光と影」をわかりやすく紐解いていきます。

第1章:中国の「優良選手獲得戦略」と1400万ドルの秘密予算

即戦力を「輸入」する晨路(しんろ)計画

中国政府は、オリンピックという大舞台で手っ取り早くメダルを獲得し、国家の威信を高めるために、海外で生まれ育ったトップアスリートを中国籍に帰化させる戦略をとってきました。これは「晨路しんろ(Morning Road)計画」などと呼ばれ、他国が時間とお金をかけて育て上げた才能を、豊富な資金力で直接「買い取る」アプローチです。

以下の表は、近年の主要な帰化選手の一覧です。

選手名 競技種目 元の国籍
谷愛凌(アイリーン・グー) フリースタイルスキー(女子) 米国
朱易(ビバリー・ジュ) フィギュアスケート(女子) 米国
林孝埈(イム・ヒョジュン) ショートトラック(男子) 韓国
劉少林・劉少昂 兄弟 ショートトラック(男子) ハンガリー

ネットで炎上した「1400万ドル」の秘密資金

この戦略の裏にある「お金の動き」が、2025年初頭に思わぬ形で世間にバレてしまいました。北京市体育局がうっかり、黒塗りするはずだったアイリーン・グー選手とビバリー・ジュ選手への莫大な支払い予定額をネット上に公開してしまったのです。

その額はなんと、過去3年間で約1400万ドル(約20億円以上)。名目は「2026年ミラノ冬季五輪の予選で優秀な成績を収めるため」でした。中国の一般市民が厳しい経済状況にあえぐ中、アメリカで育ち特権的な生活を送るアスリートに巨額の税金が投入されていた事実は、中国国内のSNSで大炎上を引き起こしました(中国当局は慌ててデータを削除し、批判コメントを検閲しました)。

「都合のいい二重国籍」と不公平な扱い

中国の法律では二重国籍は認められていません。ビバリー・ジュ選手は規定通り米国籍を放棄しましたが、北京五輪で転倒した際には「コネで代表枠を奪った裏切り者」と中国のネット上で激しくバッシングされました。

一方で、圧倒的な強さを誇るアイリーン・グー選手は、米国籍を放棄したかどうか明言せず、「アメリカにいる時はアメリカ人、中国にいる時は中国人」と上手くはぐらかしています。年間約2300万ドルものスポンサー収入を得て、米国の大学に通いながら中国の国家予算からも報酬を得る彼女の態度は、米国の政治家からも「都合よく両国を利用している」と批判を浴びています。

第2章:お金では買えなかったチームワーク(ショートトラックの大誤算)

フリースタイルスキーのような個人競技では成功した「爆買い戦略」ですが、2026年のミラノ五輪では致命的な失敗も起きました。それが中国のお家芸である「ショートトラックスピードスケート」です。

中国は確実に金メダルを獲るため、韓国の元金メダリスト(林孝埈)や、ハンガリーのスター兄弟(劉少林・劉少昂)を大金で帰化させ、「最強のドリームチーム」を作りました。しかし、五輪本番ではプレッシャーやチームワークの欠如からか、帰化選手は誰一人としてメダルを獲得できなかったのです。

皮肉なことに、中国が獲得した唯一の銀メダルは純粋な国内育成選手によるものでした。メディアはこれを「歴史的大惨敗」と酷評し、「お金で即戦力を買っても、本当の強さは手に入らない」という現実を突きつけられる結果となりました。

第3章:スポーツの裏に潜む「国境を越えた弾圧」の恐怖

中国共産党が裏で行っているもう一つの恐ろしい顔が、「国境を越えた弾圧(トランスナショナル・リプレッション)」です。これは、海外に逃れた民主化運動家や人権活動家などを、国境を越えて監視・脅迫し、無理やり帰国させたり沈黙させたりする非合法な活動のことです。

  • 猟狐作戦(キツネ狩り)・天網作戦: 表向きは「逃亡した汚職役人を捕まえるため」とされていますが、実際は中国政府の批判者を標的にしています。
  • 恐るべき手口: アメリカ国内の私立探偵を雇ってターゲットの車にGPSを仕掛けたり、中国本土にいる家族を人質にとって脅迫したりする極めて悪質な手法が、米国司法省によって次々と摘発されています。

第4章:金メダリスト、アリサ・リュウ一家を襲った陰湿なスパイ工作

この「国境を越えた弾圧」の魔の手は、なんとミラノ五輪で金メダルに輝いた米国代表のアリサ・リュウ選手とその家族にも向けられていました。

帰化の誘いを断ったことで「標的」に

アリサの父、アーサー・リュウ氏は、1989年の天安門事件で抗議活動を行い、アメリカに逃れた元学生運動家です。アリサが天才スケーターとして頭角を現すと、中国政府は彼女を中国代表として帰化させようと甘い誘いをかけました。

しかし、強い政治的信条を持つ父アーサーはこれを断固拒否。さらにアリサ自身もSNSで中国の人権問題を批判したため、中国共産党を激怒させてしまいます。「誘いを断った反体制派」とみなされた一家は、過酷な報復のターゲットとなりました。

FBIが警告。米国のシステムにまで入り込む工作員

米国司法省の起訴状によって明らかになったスパイ網の手口は、背筋が凍るような内容でした。

  • 内部情報の引き出し: 中国の指示を受けた工作員は、米国土安全保障省(DHS)の現役職員を買収し、連邦データベースからリュウ一家の個人情報を不正に引き出していました。
  • オリンピック委員会を装った脅迫: 工作員は米国オリンピック委員会(USOPC)の関係者を名乗り、「渡航準備のため」と嘘をついてパスポート情報を要求。アーサー氏が拒否すると「国際的な渡航を妨害するぞ」と脅迫しました。

選手村のカフェテリアまで伸びた「監視の目」

恐怖は、世界で最も安全であるべき「オリンピックの選手村」にまで及びました。アーサー氏は娘が競技に集中できるよう、五輪本番直前までこの脅迫の事実を隠し、米国国務省の厳重な護衛をつけて彼女を北京(2022年)に送り出しました。

しかし、競技を終えた直後、アリサは選手村のカフェテリアで見知らぬ男から執拗に付きまとわれ、「自分のアパートに来ないか」と声をかけられます。これは単なるナンパではなく、「我々は厳重な警備の選手村でも、お前に手を伸ばせるんだぞ」という中国政府からの心理的な脅迫(ガスライティング)だったと分析されています。

まとめ:自由と個人の尊厳がもたらした真の勝利

中国のスポーツ・ステイトクラフト(国家戦略)は、ルールを捻じ曲げてでも特権を与えて「利用価値のあるアスリート」を優遇する一方で、意に沿わない者には国家権力を使って徹底的な嫌がらせを行うという、極めて身勝手なものです。

しかし、その戦略には限界がありました。大金をつぎ込んだショートトラック陣は惨敗し、一方で、想像を絶する国家ぐるみの脅迫と重圧に耐え抜いたアリサ・リュウ選手は、2026年ミラノ五輪で米国女子フィギュア界に24年ぶりの金メダルをもたらしました。彼女の歴史的勝利は、恐怖による支配ではなく、自由主義社会における個人の尊厳と強さが打ち勝った瞬間でもありました。

オリンピックの平和的理念を守るためにも、国際社会はこうした「国境を越えた弾圧」からアスリートを守るための強力な対策を急ぐ必要があります。

参考リンク

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