【2025年版】二十四節気「大雪(たいせつ)」とは?意味や時期、七十二候、旬の食べ物、過ごし方を完全解説
「大雪」の概要
日本の季節の移ろいを示す二十四節気の一つ、「大雪(たいせつ)」。
文字通り、雪がいよいよ激しく降り始め、平野部でも積雪が見られるようになる頃を指します。
本格的な冬の到来を感じさせるこの時期は、こたつやストーブなどの暖房器具が恋しくなり、動物たちも冬ごもりの準備を終える季節です。
また、年末に向けて「正月事始め」や「お歳暮」といった日本の伝統的な風習も多く行われる、忙しくも風情のある時期でもあります。
この記事では、大雪の意味や2025年の具体的な日程、この時期に見られる自然の変化(七十二候)、そして旬を迎える美味しい食材や心身を整える過ごし方について詳しく解説します。
「大雪」の詳細
二十四節気「大雪」の意味と由来
「大雪(たいせつ)」は、二十四節気の第21番目の節気です。
「小雪(しょうせつ)」の次に訪れ、次は一年で最も昼が短くなる「冬至(とうじ)」へと続きます。
「大雪」という言葉には、「雪が盛んに降りだす頃」という意味が込められています。
北国や山間部ではすでに雪景色が広がっている地域も多いですが、この頃になると平野部でも初雪が観測され、本格的な冬将軍が到来します。
朝夕の冷え込みは一層厳しくなり、池や川に氷が張り、霜柱が立つ光景も珍しくなくなります。
江戸時代の暦便覧には「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」と記されており、雪が降り積もる様子が表現されています。
2025年の大雪はいつ?期間は?
二十四節気の日付は、太陽の動き(黄道上の位置)によって決まるため、年によって1日程度前後することがあります。
2025年の大雪は、12月7日(日)です。
また、期間としては、次の節気である「冬至」の前日までの約15日間を指します。
具体的には、2025年12月7日から12月21日頃までが「大雪」の期間となります。
この期間は、年末の慌ただしさが始まる時期とも重なり、街中はクリスマスや正月の準備で活気づきます。
大雪の七十二候
二十四節気をさらに約5日ごとの3つに分けた「七十二候(しちじゅうにこう)」では、大雪の期間中の自然の移ろいを次のように表現しています。
初候:閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
時期:12月7日〜12月11日頃
意味:空が重い雲に覆われ、真冬の寒さが訪れる頃です。
解説:天地の気が塞がり、万物が静まり返るような冬の気配が満ちてきます。鉛色の空から雪が舞い降りるような、静寂に包まれた冬の情景を表しています。
次候:熊蟄穴(くまあなにこもる)
時期:12月12日〜12月16日頃
意味:熊が冬眠のために穴にこもる頃です。
解説:熊だけでなく、蛙や蛇、虫たちも土の中に潜り、春の訪れをじっと待つ時期です。動物たちが活動を停止し、エネルギーを温存する姿は、私たち人間に「冬の養生」の大切さを教えてくれているようです。
末候:鱖魚群(さけのうおむらがる)
時期:12月17日〜12月21日頃
意味:鮭が群れをなして川を遡上する頃です。
解説:「鱖魚(けつぎょ)」は本来、中国に生息する淡水魚を指しますが、日本では鮭に当てはめられています。産卵のために命がけで川を上る鮭の姿は、生命の力強さを感じさせます。この時期の鮭は、冬の貴重なタンパク源として古くから重宝されてきました。
大雪に旬を迎える食べ物
寒さが厳しくなると、野菜は糖分を蓄えて甘みを増し、魚は脂が乗って美味しくなります。
大雪の時期に旬を迎える代表的な食材を紹介します。
鰤(ブリ)
この時期のブリは「寒ブリ」と呼ばれ、脂が最も乗っている最高の状態です。
成長に伴って名前が変わる出世魚であり、縁起の良い魚としてお正月の食卓にも欠かせません。
刺身はもちろん、ブリ大根や照り焼きなど、濃厚な旨味を楽しむ料理がおすすめです。
大根(ダイコン)
冬の大根は水分をたっぷり含み、加熱するととろけるような甘みが出ます。
おでんや煮物に最適で、体を温める効果も期待できます。
葉の部分も栄養豊富なので、細かく刻んで炒め物やふりかけにして無駄なくいただきましょう。
白菜(ハクサイ)
鍋料理の主役とも言える白菜は、霜に当たることで繊維が柔らかくなり、甘みが増します。
ビタミンCやカリウムが含まれており、風邪予防やむくみ解消にも役立ちます。
漬物にして保存食にするのも、昔ながらの知恵です。
鱈(タラ)
「鱈腹(たらふく)」という言葉の語源とも言われるほど、大食漢な魚であるタラ。
白身で淡白な味わいはどんな料理にも合い、特にちり鍋(タラちり)は冬の定番です。
白子(タチ)もこの時期ならではの珍味として人気があります。
春菊(シュンギク)
独特の香りが特徴の春菊は、鍋料理の名脇役です。
β-カロテンやビタミン類が豊富で、免疫力を高める働きがあります。
「食べる風邪薬」とも呼ばれるほど、冬の健康維持に役立つ野菜です。
大雪の時期の行事と風習
大雪の期間には、一年の締めくくりと新年を迎えるための準備に関する行事が行われます。
事八日(ことようか)と針供養(12月8日)
12月8日は「事八日」と呼ばれ、農作業を終えて神様を送り出す日、あるいは正月準備を始める日とされています。
この日には、折れたり錆びたりした縫い針を豆腐やこんにゃくなどの柔らかいものに刺して供養し、裁縫の上達を願う「針供養」が行われます。
硬い布を縫い続けて疲れた針を、最後は柔らかいところで休ませてあげたいという、日本人の優しい心が表れた行事です。
正月事始め(12月13日)
12月13日は「正月事始め」と言い、お正月の準備を正式に始める日とされています。
かつてはこの日に、門松やお雑煮を作るための薪を山へ取りに行く「松迎え」が行われていました。
現代でも、この日を境に大掃除(煤払い)を始めたり、お歳暮を贈り始めたりするのが一般的です。京都の祇園では、芸舞妓さんがお師匠さんのもとへ挨拶に行く姿が冬の風物詩となっています。
煤払い(すすはらい)
単なる大掃除ではなく、一年間に積もった煤(すす)や埃(ほこり)を払い落とし、家の内外を清めて年神様を迎える準備をする神聖な儀式です。
天井や高いところの掃除から始め、最後に床を清めるのが手順です。
この時期の過ごし方と健康管理
大雪の頃は、日照時間が短くなり、寒さも一段と厳しくなるため、体調を崩しやすい時期でもあります。
東洋医学の観点からも、冬は「腎」の機能が低下しやすいと言われています。
「補陽」食材で体を温める
羊肉、エビ、ニラ、ネギ、ショウガ、ニンニク、クルミなど、体を内側から温める「補陽(ほよう)」の食材を積極的に摂りましょう。
冷たい飲み物は避け、温かいお茶やスープを飲むように心がけてください。
日光浴と睡眠
冬の短く貴重な日差しを浴びることで、セロトニンの分泌を促し、気分の落ち込み(冬季うつ)を防ぐことができます。
また、動物たちが冬ごもりするように、人間も夜は早めに休み、十分な睡眠をとってエネルギーを蓄えることが大切です。
首・手首・足首を冷やさない
「三つの首」と呼ばれる首、手首、足首は、太い血管が皮膚の近くを通っているため、ここを冷やすと全身が冷えてしまいます。
マフラーや手袋、レッグウォーマーなどを活用し、外出時だけでなく室内でも保温を心がけましょう。
「大雪」の参考動画
まとめ
二十四節気「大雪」は、本格的な冬の寒さと共に、一年の終わりと新しい年の始まりを意識する大切な節目です。
寒さ厳しく、平野部でも雪がちらつくこの季節には、温かい鍋料理を囲んで家族団欒を楽しんだり、お世話になった方へ感謝の気持ちを込めてお歳暮を贈ったりと、人と人との温かさを感じる機会も多くなります。
また、針供養や煤払いといった伝統行事を通じて、道具や住まいに感謝し、清らかな気持ちで新年を迎える準備を整えることも、日本人として大切にしたい心のあり方です。
体調管理には十分に気をつけ、旬の食材で栄養をたっぷりと摂りながら、深まりゆく冬を健やかにお過ごしください。
関連トピック
二十四節気「小雪(しょうせつ)」 – 大雪の一つ前の節気。木枯らしが吹き、冷え込みが始まる時期。
二十四節気「冬至(とうじ)」 – 大雪の次の節気。一年で最も夜が長く、柚子湯に入る習慣がある。
正月事始め – 12月13日に行われる、お正月を迎える準備を始める伝統行事。
お歳暮 – 年末にお世話になった人へ感謝の気持ちを込めて贈るギフトの習慣。
関連資料
『二十四節気と七十二候の季節手帖』 – 日本の美しい季節の言葉と暮らしを解説した書籍。
『旬の野菜を味わうレシピ本』 – 大根や白菜など、冬野菜を美味しく食べるための料理本。
『ブリの味噌漬け・照り焼きセット』 – 旬の寒ブリを手軽に楽しめるギフト商品。
『冷え取り靴下・腹巻き』 – 冬の寒さから体を守る、温活グッズ。

