はじめに
毎日ニュースで目にするアメリカの政治情勢、「なんだか難しくてよくわからない」「私たちの生活や日本の未来にどう影響するの?」と感じていませんか?実は今、2026年のアメリカでは、今後の世界のあり方を根底から変えてしまうかもしれない、非常に大きくて深刻な変化が起きています。
👇 本記事でわかる3つの重要ポイント 👇
- 【テーマ1】トランプ大統領の3期目と権力維持の裏側
- 【テーマ2】国民の生活を犠牲にした軍事費拡大とビジネス化する外交の秘密
- 【テーマ3】2026年中間選挙に向けた危険なシナリオと民主主義の危機
この記事を読めば、複雑なアメリカ政治の裏側や、なぜ世界中で物価高や紛争が続いているのかがスッキリと理解できます。今後の世界経済や社会の動きを予測するための重要なヒントが詰まっていますので、ぜひ最後までじっくりとご覧ください!
1. 大統領の任期はどうなる?2028年選挙に向けた権力維持のカラクリ
現在のアメリカ国内政治において、最も注目を集めている話題の一つがあります。それは、ドナルド・トランプ大統領が「大統領は2期まで」と定めたアメリカ合衆国憲法修正第22条(3選禁止のルール)を回避し、2028年の大統領選挙にも出馬して権力を握り続けるのではないかという可能性です。あるいは、共和党の中でどのように権力が引き継がれていくのか、という点に熱い視線が注がれています。
2026年5月現在、トランプ大統領は非常に精力的に活動しています。退職金などの貯蓄を利用しやすくする大統領令14403号や、キューバの抑圧的な政府に対して厳しい制裁を科す大統領令14404号など、2期目に入っても次々と強い権限を持つ大統領令を出しています。また、アメリカが議長国を務める2026年のG20(主要国首脳会議)に向けて、「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」の考え方に基づいた経済成長や新しい技術の開発を進めることを強く世界にアピールしています。
大統領の3期目を目指す野心と、それを阻む法律の壁
アメリカの憲法修正第22条では、大統領が3期目を務めることをはっきりと禁止しています。連続していても、間が空いていても、大統領になれるのは「2回まで」と決まっているのです。しかし、トランプ大統領やその周辺からは、今の権力をそのまま維持しようとする意図的なサインが出続けています。
トランプ陣営の元首席戦略官であるスティーブ・バノン氏は、ある雑誌のインタビューで、この修正第22条を回避するための「計画が存在する」と堂々と発言しており、適切なタイミングでその計画を明らかにすると述べています。法律の専門家たちの間では、憲法の抜け穴を利用しようとするこうした議論は「非現実的であり、憲法が定めた明確なルールを壊すものだ」と強く否定されています。しかし、政治的なアピールとしての効果は今も失われていません。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、大統領執務室で90分間にわたって会談した際のエピソードを明かしています。それによると、トランプ大統領はかつて4期務めたフランクリン・D・ルーズベルト大統領の肖像画を指差し、自身が3期目を務める可能性について「非常に真剣に」語り続けたと警告しています。ニューサム知事はさらに、2026年1月に予定していた自身のダボス会議(世界経済フォーラム)への出席が、大統領からの圧力によってキャンセルさせられたとも主張しています。
さらに驚くべきことに、ホワイトハウスの敷地内に2億ドル(数百億円)もの巨費を投じて、非常に広い巨大な宴会場が建設されています。また、支持者たちには「Trump 2028」と書かれた帽子が配られています。これらの事実は、彼が権力を次の人に譲るつもりがないことを示す、物理的かつ象徴的な証拠として機能しています。大統領自身も執務室で「彼らは私を独裁者と呼ぶが、独裁者を好む人々もいるかもしれない」と公言するなど、強い権力による支配を大衆がどこまで受け入れるかを試すような戦略をとっています。
こうした動きから読み取れるのは、大統領が「3期目があるかもしれない」と意図的に匂わせることで、自分の影響力が低下する「レームダック(死に体)」になるのを防ぎ、共和党内での次期リーダー争いを抑え込み、自分自身の政治的な力を最大限に保ち続けようとするしたたかな戦略です。
共和党の次期候補者たちと、党内部の力関係
仮にトランプ大統領が退任する道を選んだとしても、共和党の次の大統領候補は、トランプ大統領の「絶対的なお墨付き」がなければ選ばれない状況になっています。共和党の支持者たちの間でのトランプ大統領の支持率は、現在も85%という圧倒的な数字をキープしています。大統領に反発したインディアナ州の共和党議員たちを失脚させるなど、党に対する支配力は揺るぎないものとなっています。
| 候補者名 | 現在の役職/立場 | 2028年共和党予備選における強みと潜在的リスク |
|---|---|---|
| JD・ヴァンス | 副大統領 (41歳) | 伝統的な「後継者」と見なされ「アメリカ・ファースト」の看板を受け継ぐ存在です。アイオワ州などで選挙活動を行っていますが、イランとの戦争が長引いている影響で、支持の伸びは少し停滞気味です。 |
| マルコ・ルビオ | 国務長官 (54歳) | ヴァンス氏の支持が伸び悩む中、支持を広げています。ある調査では共和党有権者の45.4%の支持を集めてトップに立っています。SNSで「アメリカへの希望」を語るなど意欲を見せますが、「終わりのない戦争」からの脱却を望む現在の支持層とは合わない、強硬な外交姿勢が弱点だと言われています。 |
| タッカー・カールソン | メディアパーソナリティ | 大衆迎合的な思想を支える、非常に影響力のある人物です。しかし、近年はトランプ大統領と対立する場面もあり、党の指名を勝ち取るハードルは高いと見られています。 |
| ロン・デサンティス | フロリダ州知事 | 「2028年までの道のりはまだ十分にある」と語り、出馬の可能性を残しています。大統領からの入閣の誘いは受けておらず、適度な距離を保ちながらチャンスをうかがっている状態です。 |
| トランプ・ファミリー | 大統領の家族 | ドナルド・トランプ・ジュニア氏やエリック・トランプ氏、イヴァンカ・トランプ氏への「王朝のような権力継承」の可能性も浮上しています。他の候補者が彼ら家族に立ち向かうことは、党内で「人民の敵」とされる危険な行為を意味します。 |
この状況がもたらしているのは、共和党が「政策や理念」よりも「トランプ大統領への絶対的な忠誠心」だけを基準にする政党へと完全に変わってしまったという事実です。大統領の側近は「大統領はSNSの評判などではなく、自分の意思で後継者を決める」と断言しています。もし一族に権力を残す「王朝的な継承」が実現すれば、後ほど詳しく説明するような「トランプ一族による政府との契約や外交的な利益の独占」という、お金の湧き出る仕組みを永遠に保ち続けることが可能になってしまいます。
2. 民主党の動きと2028年選挙に向けた立て直し戦略
一方で、野党である民主党は次の大統領選挙に向けて、世代間の意見の対立をまとめ、新たな支持層のつながりを作り直すという大きな課題に直面しています。2026年の中間選挙(連邦議会の選挙)の動向は、この「目に見えない大統領候補者選び」の行方を決める最初の重要なテストとなります。
世代交代と注目される主な候補者たち
2026年5月初旬に行われた調査のデータを見ると、民主党内の候補者選びは人気が分散しており、圧倒的なトップはまだいません。しかし、世代によって誰を支持するかが真っ二つに分かれているのが大きな特徴です。政党全体の支持率で見ると、民主党は現在、共和党に対して8ポイントのリード(54%対46%)を保っていますが、回答者の実に79%が「民主党はリーダーシップの危機に直面している」と感じています。
| 候補者名 | 支持率 (Yale Youth Poll) | 支持層の特徴と政治的立ち位置 |
|---|---|---|
| アレクサンドリア・オカシオ=コルテス (AOC) | 13% (別の調査では首位) | ニューヨーク州選出の下院議員です。35歳以下の若者層から圧倒的な人気を集めています。「私の野望は単なる地位ではなく、この国を変えることだ」と発言し、急進的・革新的なグループのリーダーとしての地位を固めています。 |
| ピート・ブティジェッジ | 14% | 前運輸長官です。穏健派として幅広い年代・層の人たちにアピールする力を持っており、予備選挙で重要となる州で積極的に活動しています。 |
| ギャビン・ニューサム | 19% | カリフォルニア州知事です。シニア層(高齢者)からの支持が厚く、民主党の有権者の間では党内で一番「選挙に勝てる可能性が高い」と評価されています。好感度は34%です。 |
| カマラ・ハリス | 20% | 前副大統領です。知名度では一番ですが、2024年の選挙で負けた原因をまとめた報告書を公開するかどうかで揉めており、党内をまとめる力に課題を残しています。彼女を守るために報告書を隠していると批判されることもあります。 |
メッセージの転換と支持層の再構築
民主党の専門家たちは、2028年の選挙に勝つためには、ただ「トランプ大統領に反対する」というだけの戦略から抜け出すことが絶対に必要だと分析しています。有権者が今一番気にしているのは、「日々の生活費や経済的な負担をどう減らすか」であり、次いで「政治の腐敗」「民主主義の維持」「医療」「住宅」といった生活に直結する問題です。民主党は、これまで中心的な支持層だったアフリカ系アメリカ人の熱意を再び高めたり、テキサス州などの若者やラテン系の人たちへのアピールを強める取り組みを始めています。しかし、ベテランの穏健派と若い急進派の間にある考え方の溝をどうやって埋めるのか、そして物価高や生活苦に悩む労働者階級の人たちに、どうやってわかりやすい経済のビジョンを示せるかが最大の課題となっています。
3. トランプ政権の政策:国民の生活を犠牲にした軍事・戦争への傾倒
トランプ政権の政治において最も目立っているのは、国民の社会保障や生活を支えるための仕組みを徹底的に削り、その分の莫大なお金を軍事費や中東での戦争(イランとの戦争)につぎ込んでいるという点です。
2027年度の予算案:国内向け支援の切り捨て
2026年4月3日に議会に出された予算案は、トランプ政権が何を最優先しているかをはっきりと示しています。医療や年金などを除く、国内のさまざまな活動に使われる予算は、国内総生産(GDP)の割合で見ると、過去のアイゼンハワー政権の時代以来、最も低い水準にまで削られてしまいました。
国内の支援プログラムへの影響は非常に深刻です。年間1,000万人以上を助けている地域向けの補助金や、590万世帯の光熱費を助ける低所得者向けプログラム、そして長年安価な住宅を提供してきたプログラムが「完全に廃止」とされてしまいました。さらに、女性や小さな子どものための栄養補助プログラムが大きく削られ、授乳中の母親がもらえる月額の支援金が54ドルからわずか13ドルへと激減しました。これに加えて、国立衛生研究所(NIH)や疾病予防管理センター(CDC)といった健康を守る機関の予算も大幅に減らされ、幼稚園から高校までの教育に関する多くのプログラムが廃止されるなど、国民の生活に直結する予算が容赦なく削られています。
2026年の国防戦略と歴史的な軍事費の増加
国民の生活を支える予算が切り捨てられる一方で、軍事予算は地上戦がない状況としてはアメリカの歴史上最大となる、4,450億ドルもの大幅な増額が求められています。新しく発表された「2026年国家国防戦略」という文書は、これまでの冷静な分析とは違い、まるで熱狂的な政治集会のような偏った言葉で書かれています。これまで重視されていたロシアやヨーロッパ、地球温暖化への対策は外され、特定の地域の安全や「戦士の精神」といったものが強調されています。文書の中に大統領の名前が47回も登場するなど、軍事部門が政治的に利用されている実態が浮き彫りになっています。
予算の中身を見ると、宇宙からミサイルを撃ち落とす「ゴールデン・ドーム」という計画に175億ドルの追加予算が組まれ、総額386億ドルの巨大プロジェクトになっています。また、「ゴールデン・フリート(黄金の艦隊)」という構想のもとで、新しい船を造るための予算が46%も増やされました。この中には、軍事的な意味があまりなく大統領の見栄を満たすだけだと批判されている、「トランプ級戦艦」と呼ばれる2隻の船を作るための初期費用も含まれています。
国民の支持率低下と経済的な苦しみ
イランとの戦争が泥沼化していることで、原油の通り道であるホルムズ海峡が封鎖され、アメリカ国内では物価の急激な上昇とガソリン価格の高騰が起きています。ガソリンの価格は戦争が始まってから約50%も上がり、生活を直撃しています。これに伴い、トランプ大統領の経済政策への支持率は38%から30%へと急激に落ち込みました。別の調査でも、有権者の半数以上が物価高や生活費への対応に不満を持っていると答えています。輸入品に高い税金をかける関税政策についても、半数以上の人が「アメリカ経済にダメージを与えている」と評価しています。
また、イランへの軍事行動そのものに対しても、アメリカ人の60%が不満を示しており、「利益よりも害のほうが大きい」と答える人が大半を占めています。大統領全体の支持率も低迷しており、かつてトランプ氏を熱烈に支持していた元軍人や労働者たちからも、「羊の皮を被った狼に裏切られた」という失望の声が上がっています。国民の多くが「経済は悪くなっている」と感じており、将来への不安が大きく広がっています。
4. 2026年中間選挙に向けた政権の危険なシナリオ「ゆっくりとしたクーデター」
支持率が下がり、政策への不満が高まる中、通常の選挙では議会の過半数を維持するのが難しくなったトランプ政権は、選挙の仕組みそのものを歪めたり、軍や警察の力を乱用したりする「ゆっくりとしたクーデター」を進めているのではないか、と多くの専門家や法律家が警告しています。テレビ番組でも「国民は街に軍隊が配置されることに慣らされてしまっている」と危惧する声が上がり、2026年の選挙が軍隊の圧力の下で行われる危険性が指摘されています。
選挙の国による管理と国家非常事態宣言の企て
政権内部で進められている最も恐ろしい計画は、中国など「外国の政府がアメリカの選挙に干渉している」という嘘の脅威を作り出し、大統領の権限で国家非常事態を宣言するというシナリオです。この計画では、郵便での投票を完全に禁止したり、国や軍が投票機を押収したりして、選挙のプロセスを無理やり国の管理下に置こうとしています。大統領がイラン戦争と選挙への干渉をわざと結びつけて話していることから、国の安全を守るという名目で選挙に介入する日が近いと警告する声もあります。実際に、選挙の安全を守る担当者に、過去の選挙結果を否定してきた人たちが任命されており、国が選挙をコントロールする準備は着々と整っています。
選挙区の強制的な変更(ゲリマンダー)
もう一つの大きな動きが、極端な「ゲリマンダー」と呼ばれる選挙区の強引な区割り変更です。トランプ大統領の直接の指示により、テキサス州などの共和党が強い州で、民主党を支持することが多い黒人やラテン系の人たちの選挙区をわざと細かく分割し、共和党を支持する白人が多い選挙区に吸収させるということが行われています。このズルい手法により、テキサス州だけで共和党が確実に5つの議席を増やす計画が立てられており、他の州でも同じような圧力がかかっています。これに対抗するため、民主党の州知事たちも、やり返しの選挙区変更をほのめかすなど、混乱が広がっています。
軍隊と警察の国内政治への利用
さらに、反対する人たちを物理的に脅す手段として、国内の警察機関や軍隊の力が利用されています。トランプ政権は、移民を管理する機関(ICE)の予算を、他国の国家予算を超えるほどの異常な規模に引き上げました。この機関は、1日に3,000人という逮捕のノルマを作り、裁判にかけずに強制的に国に送り返したり、学校で不当な検査を行ったりして、ラテン系のコミュニティに深い恐怖を与えています。
また、法律に違反する形で州の軍隊(州兵)を国の指揮下に置き、民主党の支持者が多い大都市の治安維持という名目で派遣することで、反対派を脅し、選挙の結果を物理的に操る体制を作り上げようとしています。
選挙対策のための場当たり的な関税政策
間接的な選挙対策として、有権者の不満を一時的にごまかすための身勝手な経済政策も行われています。中間選挙での負けを防ぐために、牛肉の輸入にかかる税金(関税)を「選挙が終わるまでの200日間だけ」下げる計画が進められています。これに対して怒る国内の畜産農家をなだめるために、今度は絶滅の危機にあるオオカミを保護するルールをなくすという、国の利益や環境保護を完全に無視したその場しのぎの取引が行われています。
5. ユダヤ系の大口支援者の影響力と、揺らぐ支持基盤
トランプ大統領の政治資金を大きく支えているのは、イスラエルを強く支持するユダヤ系の超大口の寄付者たちです。しかし、彼らがいるからといって政権の足元が「安泰」なのかというと、莫大な資金力と実際の一般有権者の気持ちとの間には、非常に深い溝があるというのが現実です。
ミリアム・アデルソン氏ら大口支援者による言論の弾圧
トランプ大統領の最大の資金源であるミリアム・アデルソン氏(カジノビジネスで財を成した富豪)は、2024年の選挙だけで1億ドル以上という途方もない金額を寄付し、これまでの寄付総額は約6億ドル(数千億円)に達しています。彼女は政権の外交政策、特にイスラエルの行動に対して決定的な影響力を持っています。
アデルソン家は、大学のキャンパスで行われているパレスチナを支持する抗議活動などを「ユダヤ人差別だ」として徹底的につぶすための組織に、巨額の資金を提供しています。トランプ政権が、ある大学院生を犯罪の証拠もないのに強制送還しようとした異例の出来事の裏にも、アデルソン氏が直接指示したSNSでのキャンペーンがあったことが確認されています。このように、国の権力と大金持ちの個人的な思惑が完全に一体化し、人々の言論の自由を脅かす事態になっています。
ユダヤ系コミュニティ内部の分断とお金の流れの変化
大金持ちの強力なサポートがある一方で、アメリカに住むユダヤ系の人たち全員がトランプ政権を支持しているわけではありません。トランプ大統領がアメリカ建国250年を記念して「国家シャバット(安息日)」という日を宣言したことで、コミュニティ内の対立がはっきりと見え始めました。
保守的なユダヤ教のグループは、これを「信仰の自由を尊重するものだ」と歓迎しました。しかし、進歩的なユダヤ系の団体は、大統領が宗教に口を出すことは「政治と宗教を分けるルール」を壊すものであり、少数派であるユダヤ人が守られてきた歴史を脅かすものだと強く反発しました。
さらに、慈善活動のお金の流れにも大きな変化が起きています。有名な資産家のジョージ・ソロスの息子が率いる財団が、進歩的なユダヤ系団体に多額の資金援助を行うと発表しました。この中にはパレスチナの抗議を支持する団体も含まれており、昔からある主流なユダヤ系組織の影響力が落ちるとともに、コミュニティ内部での分裂がどんどん進んでいます。
世代間の大きな考え方の違いと若者の離れ
最も根本的な問題は、世代間での考え方が劇的に変わってきていることです。若者を中心とした調査では、アメリカ人の間で初めて「パレスチナの人々に同情する」という声が、「イスラエルの人々に同情する」という声を上回るという歴史的な逆転が起きました。年配の世代はイスラエルを強く支持していますが、Z世代と呼ばれる若い若者たちの間では、イスラエルを「強引な巨大権力」とみなす見方が定着しています。
また、アメリカのユダヤ人の大半は、トランプ大統領の強引な政策に反対しており、イランとの戦争などの外交のやり方にも全く信頼を置いていません。結論として、一部の大富豪の資金力は選挙の宣伝には役立ちますが、一般のユダヤ系有権者、特に若者の票を集める効果はなく、政権の土台を安定させるものには全くなっていないのです。
6. 議会を無視した軍事介入と、大統領退任後の法的な責任
トランプ政権がイランに対して行っている軍事行動は、国民の代表である議会の承認を完全に無視して進められており、多くの一般市民の犠牲を出しています。任期が終わった後に、大統領がこうした行動の法的な責任を問われることがあるのかどうかについては、国内の法律と国際的な法律の両面から見る必要があります。
イラン戦争の違法性と、形骸化した戦争権限法
2026年2月末に始まったイランへの先制攻撃は、憲法が議会にだけ認めている「戦争を始める権限」を奪い取る形で実行されました。アメリカには「戦争権限法」という法律があり、議会の承認がない場合は、60日以内に戦闘地域から軍隊を引き揚げさせなければならないと大統領に義務付けています。
しかし、60日の期限を迎えた日、トランプ大統領は「停戦を命じたので交戦は終わった」と主張する手紙を議会に送り、法律の義務は果たしたと言い張りました。これは法律の解釈を悪用したものです。実際にはその後も、イランの港から船を出させないような海上封鎖を続けており、これは国際法では明確な「戦争行為」とみなされます。さらに、大規模な兵力を動員して攻撃への反撃も行っているため、大統領の「交戦は終わった」という言い分は完全に破綻しています。議会では戦争を止めるための決議案が何度も出されましたが、賛否が同数で否決されるなど、議会が大統領の暴走を止める機能は働いていません。
一般市民の甚大な犠牲と意図的な破壊
この戦争において倫理的・法的に最も問題なのは、関係のない一般市民に多大な犠牲が出ていることです。アメリカの攻撃の目的はコロコロと変わり、結果として見境のない破壊がもたらされています。
- イラン全体の死者数推計: 3,468人 〜 6,000人以上
- イラン全体の負傷者数推計: 15,000人 〜 26,500人
- 確認された民間人死者数: 1,443人 〜 1,701人(うち子ども217〜254人)
- 女子小学校への爆撃 (2月28日): ミサイル攻撃で少なくとも175人が死亡(うち子ども108人)。アメリカ軍の調査で「古い情報に基づく誤爆」だったことが判明しています。
- その他の民間インフラ被害: 22の学校と複数の病院が爆撃の被害を受けています。
- アメリカ軍側の被害: 死者15名、負傷者538名
軍の司令官は議会で「学校を爆撃したという確実な証拠はない」と否定しましたが、その裏でアメリカ国防総省は、一般市民の犠牲を防ぐために法律で義務付けられている専門組織の予算を打ち切り、事実上解体してしまっていたことが内部告発で明らかになりました。
退任後の法的追及の可能性と、守られる大統領の特権
大統領が任期を終えた後、これらの法律を無視した戦争や市民の犠牲について、アメリカ国内で罪に問われるかというと、最高裁判所の判決が非常に高い壁となって守られています。
最高裁は過去に、「元大統領は、大統領としての公的な職務の範囲内で行ったことについては絶対に罪に問われない(免責特権)」という判断を下しました。これは、大統領が後の報復を恐れずに思い切った決断ができるようにするためのものです。一部の裁判官は「これでは大統領執務室が犯罪の拠点になってしまう」と強く反対しましたが、軍の最高司令官としての命令は「公的な行動の核」にあたるため、アメリカ国内の裁判で大統領を裁くことは事実上不可能に近い状態です。
しかし、国際法や戦争犯罪という世界のルールで見ると、話は全く別です。多くの国際法の専門家が指摘するように、はっきりとした脅威の証拠もないのに先制攻撃を行うことは、国連のルールに明確に違反しています。
さらに、国防長官が「敵に情けをかけるな」と命令したり、大統領が「橋や発電所など市民の生活施設をすべて破壊する」と脅したりした行為は、戦争のルールであるジュネーヴ条約などに直接違反する「戦争犯罪」にあたります。アメリカ国内で大統領自身が刑務所に入る可能性は低いものの、政権の幹部たちが国際的な裁判所から訴えられ、世界中を移動できなくなるリスクは永遠に残ります。これは、アメリカが世界のリーダーとしての道徳的な信頼を完全に失ってしまったことを意味しています。
7. 外交や国防の私物化:トランプ一族が抱える利益と腐敗の構造
トランプ政権が抱える最も深刻なリスクは、国の外交や安全を守るための政策と、大統領一族の個人的なビジネスの利益が完全にくっついてしまっている点です。イランとの戦争や中東への政策が、トランプ一族を儲けさせるための「システム」として使われているという強い疑惑があり、政府との契約や海外でのビジネス投資にその証拠が数多く現れています。
国防総省との契約をめぐる一族の利益
トランプ大統領の息子たちは、大統領の2期目が始まってから突然、防衛産業や最先端テクノロジーの分野に進出し、不自然なタイミングでアメリカ国防総省から巨額の契約を勝ち取っています。議員たちの調査によると、トランプ一族が関わっている企業は、トランプ政権の下で総額7億2,500万ドル(約1000億円)以上の融資や補助金、政府との契約を手に入れています。
| 企業・投資ファンド名 | トランプ・ファミリーの関与 | 獲得した政府契約・利益の概要 |
|---|---|---|
| Powerus (迎撃ドローン製造) | ドナルド・Jr.氏とエリック氏が2026年3月に直接投資 | 投資からわずか数週間後、国防総省と初のドローン供給契約を発表。イラン戦争の脅威を背景に中東の同盟国にも売り込みを実施しています。 |
| Foundation Future Industries (ロボティクス) | エリック・トランプ氏が最高戦略顧問に就任 | 中国との技術競争を名目に、国防総省から2,400万ドルの契約を獲得。エリック氏は防衛分野の経験が皆無であることを自ら認めています。 |
| 1789 Capitalの投資先企業群 | ドナルド・Jr.氏がパートナーとして参画するベンチャーキャピタル | AI半導体、量子チップ、ロケットエンジン企業など、国防総省から計7,000万ドル超の契約を獲得しています。 |
| Unusual Machines 等の関連企業 | 1789 Capitalが支援 | 国防総省の戦略的資本室から史上最高額となる6億2,000万ドルの巨額融資を獲得しています。 |
息子の一人は「政権が何をしたいのかはわかっている。なぜなら私たちがそのメッセージを作るのを手伝ったからだ」と堂々と発言しており、一般には公開されない国の機密情報を利用して自分たちの会社を儲けさせていることを隠そうともしていません。
仮想通貨と海外の不動産を使った「外交のビジネス化」
防衛産業に入り込むだけでなく、トランプ一族は仮想通貨(暗号資産)や海外での巨大な不動産開発を通じて、他の国の政府の指導者たちから直接、巨額のお金を受け取っています。大統領の2期目に入ってから、トランプ大統領の資産は約30億ドルも増えており、その大部分は海外とのビジネスによるものです。大統領は普通の公務員に適用される厳しい倫理ルールから免除されていることを利用し、公の仕事と個人のビジネスの境目を完全になくしてしまっています。
一番わかりやすい例が、一族が立ち上げた仮想通貨の会社です。この会社は、中東のUAE(アラブ首長国連邦)の王族に株の約半分を5億ドルで売り、トランプ一族に約1億8,700万ドルの利益をもたらしました。さらに、UAEの国家ファンドが巨額の投資を行い、一族の会社は毎年何千万ドルもの利子を受け取れる見込みになりました。
この莫大な個人の利益の見返りとして、アメリカの国の安全保障の政策が歪められています。UAEとの仮想通貨の取引が成立したわずか2週間後、国の安全のために制限されていた「最先端のアメリカ製AIコンピューターチップをUAEに売る許可」が突然ホワイトハウスから下りました。さらに、協力してくれた仮想通貨取引所の創業者に対する恩赦(罪を許すこと)が行われたり、大口のお客さんになった仮想通貨の富豪に対する詐欺の捜査がピタリと止まったりするなど、国の最高権力や司法の力が、完全にビジネスの「取引材料」に成り下がっています。
これと同じようなことが、中東やアジアの不動産開発でも起きています。サウジアラビアやカタールの政府が、トランプブランドの巨額の不動産契約を結んだ直後に、これらの国はアメリカの高度な兵器を買えるようになり、過去の暗殺事件の責任も不問にされました。息子たちは「外交とは無関係」という名目で世界中の国のリーダーと会い、自分たちの会社のビジネスを広げています。
対中国の外交における人権問題の放棄
ビジネスの利益を最優先する態度は、主要な国との外交にも直接表れています。2026年5月に北京で行われたアメリカと中国の首脳会談では、トランプ大統領は習近平国家主席に対して「偉大なリーダー」「友人であることは光栄だ」と、異常なほどへりくだった態度をとりました。豪華な食事でもてなされたこの会談で、AIの技術や貿易については話し合われましたが、アメリカ側はこれまで厳しく追及してきた「人権問題」については完全に無視しました。
不当に逮捕されている民主活動家やキリスト教の牧師たちを解放するように求めることについて、大統領は冗談めかして話し、真剣な圧力をかけることを避けました。過去に人権問題で中国から制裁を受けていた国務長官も、中国側が書類の漢字を少し変えるという「言葉遊びの抜け道」を用意しただけですんなり入国を許されるなど、アメリカが掲げてきた人権外交は完全に中身のないものになっています。この会談には息子も「個人の資格」で同席しており、中国の企業とのビジネスの提携を探っていました。外交が単なるお金儲けの場に成り下がっている証拠です。
これらの事実が総合的に示しているのは、戦争や中東外交、中国への政策が、単なる戦略の失敗などではなく、軍需産業や海外の同盟国、そしてトランプ一族のビジネス利益ががっちりと結びついた「戦争と外交の民営化(ビジネス化)」の結果だということです。一般の国民が物価高や予算削減で苦しむ中で、外交のすべてが「トランプ家の資産をどうやって増やすか」という基準で決められるという、腐敗しきった構造が完成しているのです。
まとめ
2026年5月現在のアメリカ合衆国は、国が建国されて以来培ってきた民主主義の仕組みが限界まで試される、非常に危険な「制度の危機」の真っ只中にあります。トランプ政権は、議会を無視して強引にイランとの戦争を進めることで、国の安全を守る仕組みを、トランプ一族や大口の支援者を儲けさせるための腐敗したシステムに変えてしまいました。
その結果として起きた物価高やガソリン価格の高騰、そして「国民の60%が戦争に不満を持っている」という支持率の低下に対し、政権は政策を反省して修正するのではなく、2026年秋の選挙の仕組みそのものを壊す方向へと暴走を始めています。軍隊や警察のような組織を国内に派遣して人々を脅したり、選挙区を強引に変更したり、外国の干渉を言い訳にして「国家非常事態」を宣言して選挙を止めようとする計画は、アメリカがもはや単なる「民主主義の衰退」という段階を通り越し、議会や裁判所の力を奪った「独裁的な国家」へと変わりつつあることを示しています。
大富豪たちからの莫大な資金援助や、最高裁判所が大統領に与えた「絶対に罪に問われない」という特権は、今の政権の権力とお金を守る強力なバリアになっています。しかし、若者たちとの考え方の決定的なズレや、本来の役割を果たせない議会、そして国際社会から法廷・道徳的に完全に孤立してしまった状況は、長い目で見たときのアメリカという国の安定を根本から腐らせています。今やアメリカが抱える最大の地政学的なリスクは、海の向こうの敵対する国ではありません。大統領の執務室の中で権力と利益が私物化され、それに伴って国内の民主主義のプロセスそのものが崩壊しつつあること。これこそが、世界を揺るがす最も深刻なリスクであると結論付けられます。
参考リスト
- 2026 Donald J. Trump Executive Orders – Federal Register
- Presidential Actions – The White House
- Donald Trump’s executive orders and actions, 2025-2026 – Ballotpedia
- Homepage – G20 Miami 2026
- 2028 United States presidential election – Wikipedia
- Donald Trump third term proposal – Wikipedia
- How Donald Trump could overcome the 22nd Amendment and get a third term in 2028
- Legal Scholars Dispute Constitutional ‘Loophole’ for a Third Trump Term – FactCheck.org
- Could Trump run as vice president in 2028, bypass the US Constitution and become president a third time – Northeastern Global News
- Trump Seems to be Planning a Coup for the 2026 … – Agência Pública
- ‘Trump 2028’ could be a vote for Ivanka, Eric or Don Jr. – Las Vegas …
- JD Vance, Trump Jr, DeSantis? Possible Republican contenders for 2028 run
- AOC and Rubio lead party primaries in 2028: Poll – Colorado Politics
- Alexandria Ocasio-Cortez leads 2028 Democratic Presidential race, Marco Rubio dominates GOP contenders, new poll shows
- Are Marco Rubio’s 2028 presidential prospects on the rise?
- Florida Gov. Ron DeSantis: potential 2028 White House run? – YouTube
- ‘Running through the tape’: Ron DeSantis addresses future plans, says he has plenty of time to run for President – Florida Politics
- Spring 2026 Results | Yale Youth Poll
- Why is the Democratic party still hiding its 2024 election autopsy?
- Democrats Eye 2028 as Battle for Identity Begins
- Trump’s Budget Request Cuts Programs That Help Ordinary …
- The 2026 National Defense Strategy by the Numbers: Radical Changes, Moderate Changes, and Some Continuities – CSIS
- More than half of US voters disapprove of Trump’s handling of economy — FT poll
- Two in three Americans feel Trump has not explained Iran war goals: Poll
- Trump’s approval on economy falls in AP-NORC poll, showing new warning signs for president | The Associated Press
- Polls, Analysis, Learning, and More
- Miriam Adelson says ‘deeply humbled’ by honor of Presidential Medal of Freedom
- Trump’s Iran Strikes Are Unconstitutional | Brennan Center for Justice
- The Trump Administration Has No Legal Authority To Invoke National Security and Take Over Elections
- Read the laughable legal memo behind the claim that Trump can declare a national voting emergency – Democracy Docket
- With Trump’s low approval rating and Republicans’ ‘self-destruction’, can Democrats take the Senate?
- Virginia Democrats ask conservative-majority US supreme court to restore congressional map approved by voters – as it happened
- Miriam Adelson – Wikipedia
- The Israeli-American Trump mega-donor behind speech crackdowns
- Your Daily Phil: Shabbat shalom? Jews scramble to mark, fret over …
- Trump’s ‘Shabbat 250’ call divides US Jews ahead of National Mall prayer rally
- Voice of the Jewish People – January 2026: About one‑fifth of respondents are considering Aliyah
- POLL:JEWISH AMERICANS OPPOSE TRUMP EXECUTIVE ORDERS BY MAJORITIES
- War Powers Resolution – Wikipedia
- Law and the Iran War, After the First 60 Days | Lawfare
- Senate fails to curb Trump’s war on Iran even as Republican opposition grows
- House barely rejects limits on Iran war as GOP defections grow – Live Updates
- House Narrowly Rejects Latest War Powers Resolution to End Trump’s Attacks on Iran
- The Human and Environmental Costs of the War in Iran – Center for American Progress
- TAKE ACTION: Tell Congress to Approve the Iran War Powers Resolution
- Casualties of the 2026 Iran war – Wikipedia
- Ansari Demands Answers from Trump Admin for Civilian Harm in Iran Military Operations
- Over 100 International Law Experts Warn: U.S. Strikes on Iran Violate UN Charter and May Be War Crimes – Just Security
- The President’s Immunity Is Only as Strong as His Legal Authority – JURIST – Commentary
- CENTCOM Commander Denies U.S. Killed Civilians in Iran: “No Way That We Can Corroborate That”
- 2026 Iran war – Wikipedia
- Pentagon quietly shut legally required program to prevent civilian deaths by military, watchdog finds
- ArtII.S3.5.4 Criminal Prosecution, Presidential Immunity and Former Presidents
- The Presidential Immunity Decision – Robert Delahunty & John Yoo – HLS Journals
- LISTEN: Jackson asks what stops presidents from committing crimes if they’re immune from prosecution – YouTube
- What International Law Experts are Watching in Iran | Chicago Council on Global Affairs
- Experts say Trump’s threats to destroy Iran’s infrastructure could be considered war crime
- 2026-05-08.Garcia to DOD IG re Trump Family Contracts – House Oversight Democrats
- Warren, Blumenthal, Kim Sound Alarm on Potential for Donald Trump Jr.-Linked Companies to Profit Off Department of Defense Contract Awards, Loans
- Money in Politics Roundup — February 2026 | Brennan Center for …
- Trump didn’t drain the swamp. He turned it into a cesspool | Steven Greenhouse
- Trump sons have met with officials from 8 foreign countries as Trump Org seeks new business abroad – CREW | Citizens for Responsibility and Ethics in Washington
- Trump’s lack of focus on human rights in China is big departure for …
- Eric Trump joins Beijing trip as family-linked group chases China deal

