【ネットが遅い原因はそこじゃない?】ルーター買い替え前に知るべき「ボトルネック」の正体とWi-Fi 6/7の真価
Wi-Fiルーター買い替えと速度改善の真実
「家のWi-Fiが遅いから、最新のルーターに買い替えよう」。
そう思って家電量販店で高性能なルーターを買ってきたのに、設置してみたら「全然速くなっていない!」と絶望するケースが後を絶ちません。
実は、インターネットの速度は「ルーターの性能」だけで決まるわけではありません。
ネット回線はよく「水道管」に例えられます。どれだけ蛇口(ルーター)を大きくしても、大元の水道管(回線)が細かったり、途中のパイプ(LANケーブル)が詰まっていたりすれば、出てくる水の量は増えないのです。
本記事では、あなたの家のネットが遅い「真犯人(ボトルネック)」を特定するためのチェックポイントと、それを解消した上で導入してこそ意味がある最新規格「Wi-Fi 6」「Wi-Fi 7」の本当のメリットについて解説します。
ネット速度低下の原因とWi-Fi 6/7の詳細
原因切り分け:速度低下の犯人はこの4人の誰かだ
速度が遅い時、疑うべき容疑者は以下の4箇所です。上流から順にチェックしましょう。
1. 大元の回線契約(1Gbps vs 10Gbps / VDSL方式)
そもそも契約している光回線が最大1Gbpsなのか、マンションなどで配線方式が古い「VDSL方式(最大100Mbps)」なのかを確認してください。VDSLの場合、どんな高級ルーターを買っても100Mbps以上は絶対に出ません。
2. プロバイダの接続方式(PPPoE vs IPoE)
これが最も多い原因です。従来の「PPPoE(IDとパスワードを設定する方法)」は、夜間になると混雑して速度が激減します。次世代の「IPoE(IPv6オプションなど)」に変更するだけで、ルーターを変えなくても速度が10倍になることも珍しくありません。
3. LANケーブルの規格(カテゴリ)
意外な落とし穴が、ONU(回線終端装置)とルーターを繋ぐケーブルです。ケーブルの側面に「CAT5」と印字されていたら、それが犯人です。CAT5は最大100Mbpsしか出ません。「CAT5e」または「CAT6A」に交換しましょう。
4. 受信する端末(スマホ・PC)の性能
ルーターが最新でも、受け取るスマホが5年前のモデルなら、そのスマホの限界速度しか出ません。
Wi-Fi 6 (11ax) / Wi-Fi 7 (11be) は何がすごい?
ボトルネックが解消された環境であれば、新規格ルーターは劇的な効果を発揮します。
- Wi-Fi 6(現在主流): 最大の特徴は「混雑への強さ」です。「OFDMA」という技術により、家族全員が同時に動画を見たりゲームをしたりしても、遅延(ラグ)が起きにくくなっています。
- Wi-Fi 7(2024年〜最新): 「MLO(マルチリンクオペレーション)」という新技術により、2.4GHz、5GHz、6GHzという異なる周波数帯を「束ねて」同時に通信できます。これにより、実効速度が爆発的に向上し、遅延はほぼゼロに近づきます。
買い替えるべき人、待つべき人
- 買い替え推奨: スマホがiPhone 11以降(Wi-Fi 6対応)で、家のルーターが5年以上前(Wi-Fi 5以前)のもの。
- 様子見推奨: スマホやPCが古く新規格に対応していない人、または回線自体がVDSL方式などの低速な環境の人。
ネット速度改善とWi-Fi規格の参考動画
ネット速度改善のまとめ
「ルーターを変えれば速くなる」は半分正解で、半分間違いです。
まずは、ご自身の環境が「速度を受け入れられる状態」になっているかを確認することが先決です。
特に、LANケーブルのカテゴリ確認と、プロバイダのIPoE変更は、費用をかけずに劇的な効果が得られる可能性が高い「特効薬」です。
ボトルネックを取り除いた上で、最新のWi-Fi 6/7ルーターを導入すれば、まるで別世界のような快適なネット環境が待っているでしょう。
関連トピック
IPv6 IPoE(アイピーオーイー):プロバイダの認証をパスして直接ネットに繋ぐ方式。道路で例えると「料金所のないバイパス」を通るようなもので、混雑知らず。
メッシュWi-Fi:複数のルーターを連携させ、家中に網の目のように電波を張り巡らせる仕組み。広い家での死角解消に最適。
CAT6A(カテゴリ6A):現在最も推奨されるLANケーブルの規格。10Gbps対応でノイズにも強い。
関連資料
Speedtest.net:世界標準の速度測定サイト。自分の回線の実力を正確に測れる。
Wi-Fi Alliance公式サイト:Wi-Fi規格を策定している団体の解説ページ(英語)。
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