史上最大級の詐欺事件!「暗号資産の女王」ルジャ・イグナトワとワンコインの全貌
「暗号資産の女王」の概要
「暗号資産の女王」とは、史上最大規模の仮想通貨詐欺事件「ワンコイン(OneCoin)」の首謀者、ルジャ・イグナトワのことを指します。
彼女は「ビットコイン・キラー」を謳い文句に世界中から巨額の資金を集めましたが、その実態は精巧なねずみ講(ポンジ・スキーム)でした。
2017年に突如として姿を消し、現在もFBI(連邦捜査局)の最重要指名手配リストに名を連ねる伝説的な逃亡犯となっています。
「暗号資産の女王」の詳細
華麗なる登場と「ワンコイン」の熱狂
ルジャ・イグナトワは、オックスフォード大学卒の経歴やマッキンゼーでの勤務経験を持つ才女として振る舞い、2014年に「ワンコイン」を設立しました。
彼女はドバイやロンドンのウェンブリー・アリーナで派手なイベントを開催し、「ワンコインはビットコインを超え、世界で最も使用される通貨になる」と熱弁を振るいました。
そのカリスマ性と、「金融の民主化」という甘い言葉に魅了され、世界中の投資家がこぞって資金を投じました。
実態のないブロックチェーン
しかし、実際にはワンコインには暗号資産の根幹である「ブロックチェーン」技術が存在しませんでした。
それは単なるSQLサーバー上の数字に過ぎず、会社側が自由に数値を改ざんできる仕組みだったのです。
ビジネスモデルは典型的なマルチ商法(MLM)であり、会員が新たな会員を紹介することで報酬が得られる仕組みで、被害総額は約40億ドル(当時で約4500億円以上)にも上ると言われています。
突然の失踪とFBIによる指名手配
捜査の手が伸びていた2017年10月、ルジャはブルガリアのソフィアからアテネ行きの飛行機に乗ったのを最後に、忽然と姿を消しました。
その後、彼女の弟や共同創業者は逮捕されましたが、ルジャ本人の行方は依然として謎に包まれています。
2022年、FBIは彼女を「最重要指名手配逃亡者トップ10」に加えました。
整形手術をして外見を変えている説や、犯罪組織によって既に殺害されている説など、様々な憶測が飛び交っていますが、真相は闇の中です。
「暗号資産の女王」の参考動画
「暗号資産の女王」のまとめ
「暗号資産の女王」ルジャ・イグナトワによるワンコイン事件は、金融リテラシーの重要性と、「誰でも簡単に儲かる」という話の裏に潜む危険性を浮き彫りにしました。
彼女が持ち逃げした巨額の富と、現在も続く逃亡劇は、世界中の人々の関心を引きつけてやみません。
投資を行う際は、その仕組みや技術的背景をしっかりと理解し、カリスマ性や雰囲気だけに流されない冷静な判断が求められます。
この事件は、暗号資産市場の法整備が進むきっかけの一つともなりましたが、未だに類似の詐欺は後を絶たないため、私たち一人一人が警戒心を持つことが大切です。
関連トピック
ポンジ・スキーム
新規出資者から集めたお金を、既存の出資者への配当に回す自転車操業的な投資詐欺の手法です。
FBI最重要指名手配
アメリカ連邦捜査局(FBI)が、特に凶悪で社会への影響が大きいと判断した逃亡者をリストアップしたものです。
マルチ商法(MLM)
商品を販売しながら会員を勧誘し、組織を拡大させることで利益を得るビジネス形態で、詐欺の温床になりやすい側面があります。
関連資料
書籍『The Missing Cryptoqueen(未邦訳)』
BBCのジャーナリスト、ジェイミー・バートレット氏による、事件の全貌とルジャの行方を追ったノンフィクションです。
ポッドキャスト『The Missing Cryptoqueen(BBC)』
世界中で大ヒットした、事件の謎を追うドキュメンタリー形式の音声番組です。

