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10月12日の世界関節炎デーとは?リウマチと関節炎の違いと早期発見のサイン

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はじめに

「朝起きると手の指がこわばって動かしにくい」「最近、ひざの痛みが続いている」。そんな小さな違和感を、年齢のせいだと見過ごしていませんか。10月12日の世界関節炎デーは、関節の病気について正しく知り、早めに気づいて治療につなげることを呼びかける国際的な記念日です。

👇 本記事でわかる3つの重要ポイント 👇

  • 【テーマ1】世界関節炎デーの成り立ちと目的
  • 【テーマ2】関節リウマチと変形性関節症の見分け方
  • 【テーマ3】早期診断・早期治療が大切な理由と受診の目安

関節の病気は、日本でも世界でも患者数がとても多い身近な病気です。記念日をきっかけに、自分や家族の関節の状態を見直すヒントを、データと合わせてわかりやすくお伝えします。

世界関節炎デーとは?10月12日に制定された背景と目的

世界関節炎デーは、1996年に国際的な患者団体が定めた、毎年10月12日の啓発デーです。リウマチや関節炎などの病気を広く知ってもらい、早期診断と早期治療の大切さを伝えることを目的としています。

制定したのは国際的な患者団体

欧州リウマチ学会(EULAR)の公式サイトによると、世界関節炎デーは1996年に「Arthritis and Rheumatism International(ARI)」によって始められました。ARIは、リウマチなどの病気を抱える人たちの団体が国をこえて集まった組織です。日本語では「国際関節炎・リウマチ協会」などと訳されています。

現在は、欧州リウマチ学会がこの記念日の運営や広報を担っています。英語では「World Arthritis Day」、略して「WAD」と呼ばれ、世界各地で講演会やキャンペーンが行われています。

対象は「リウマチ性・筋骨格系疾患」全体

この記念日が対象にしているのは、関節リウマチだけではありません。関節や骨、筋肉などに痛みや動かしにくさが出る病気をまとめて「リウマチ性・筋骨格系疾患(RMDs)」と呼びます。欧州リウマチ学会は、この仲間に200以上の病気が含まれると説明しています。

南アフリカ政府の公式サイトでは、世界関節炎デーのねらいとして次の3つが紹介されています。

  • 医療関係者、患者さん、一般の人たちに、これらの病気を広く知ってもらう
  • 政策を決める人たちに病気の負担を伝え、支援策につなげる
  • 患者さんや家族が、利用できる支援の仕組みを知れるようにする

また、10月12日は象徴的な日であり、啓発活動は1年を通して続けるものとされています。毎年テーマが設けられており、欧州リウマチ学会によると、2025年は患者さんの「夢」や目標の力に光を当てるテーマでした。

関節炎とは?関節リウマチと変形性関節症の違い

「関節炎」は、関節に炎症や痛みが起こる状態をまとめた言葉で、原因によっていくつもの病気に分かれます。代表的なのが「関節リウマチ」と「変形性関節症」で、この2つは仕組みも治療の考え方も大きく異なります。

関節リウマチは「免疫の誤作動」で起こる病気

関節リウマチは、本来は体を守るはずの免疫が、自分自身の関節を攻撃してしまう病気です。このような病気を「自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)」といいます。関節を包む「滑膜(かつまく)」という膜に炎症が起こり、放っておくと関節が少しずつ壊れて変形していきます。

はっきりした原因はまだわかっていません。体質(遺伝的な要因)に、喫煙、歯周病、感染症、ストレスなどの環境の要因が重なって起こると考えられています。関節だけでなく、発熱やだるさ、肺の病気など、全身に症状が出ることもあります。

変形性関節症は「軟骨のすり減り」が中心

変形性関節症は、関節の表面にある軟骨が少しずつすり減り、関節が変形していく病気です。長寿科学振興財団の「健康長寿ネット」によると、変形は数年から数十年かけてゆっくり進みます。特にひざに多く、「変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)」と呼ばれます。

年齢を重ねることや体重、過去のけが、関節の使いすぎなどが関係しています。ただし世界保健機関(WHO)は、変形性関節症は年をとれば必ずなるものではないとしています。

2つの病気の比較表

比べるポイント 関節リウマチ 変形性関節症
主な原因 免疫の異常による滑膜の炎症 軟骨のすり減りと変形
出やすい場所 手足の指、手首など。左右同時に出やすい ひざ、股関節、手指など
特徴的な症状 朝のこわばり、腫れ、全身のだるさ 動き始めや動いたときの痛み
進み方 発症から早い時期に関節の破壊が進みやすい 数年から数十年かけてゆっくり進む

どちらも関節が痛む点は同じですが、関節リウマチは早めの薬物治療がとても重要です。自己判断で「年のせい」と決めつけないことが大切です。

関節の病気はどれくらい多い?日本と世界の患者数

関節の病気は、日本でも世界でも非常に多くの人が抱えている身近な病気です。数字で見ると、その広がりの大きさがよくわかります。

世界の患者数

世界保健機関(WHO)のファクトシートによると、2019年の時点で世界の変形性関節症の人は約5億2,800万人です。1990年と比べて113%増えています。もっとも多いのはひざで、約3億6,500万人とされています。

同じくWHOによると、関節リウマチの人は2019年時点で世界に約1,800万人いました。そのうち約70%が女性です。WHOは、関節リウマチは手や手首、足、ひざ、肩、ひじなどの関節に起こりやすいと説明しています。

日本の患者数

日本の関節リウマチの患者数は、資料によって幅があります。厚生労働省の委員会で示された資料では約60万〜100万人と推定されており、日本医療研究開発機構(AMED)の研究報告では約70万人とされています。女性に多い病気で、30〜50歳代での発症が多いとされてきましたが、近年は高齢化にともない60歳代の発症が増えているという報告もあります。

変形性膝関節症はさらに多く、大規模調査「ROADプロジェクト」の報告によると、2009年時点の40歳以上の推定患者数は約2,530万人でした。このうち、痛みなどの症状がある人は約800万人とされています。ひざの痛みは、多くの人にとって決して他人事ではないのです。

見逃さないで!関節リウマチの早期発見のサイン

関節リウマチを早く見つける手がかりは、「朝のこわばり」と「左右対称の腫れ」です。次のような症状が続く場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

注意したい主な症状

  • 朝のこわばり:起きたときに手指などがこわばり、動かしにくい
  • 手足の指や手首の関節が腫れて痛む
  • 左右の同じ関節に、同時に症状が出る
  • 微熱、だるさ、食欲の低下、体重の減少が続く
  • 目や口の乾きを感じる

健康長寿ネットによると、ほとんどの患者さんで手足の指の関節に症状が出ます。特に、指先から2番目の関節や手首が左右同時に腫れた場合は、関節リウマチの疑いが強くなるとされています。朝のこわばりは、温めたり動かしたりすると、数分から数時間で和らぐのが特徴です。

こわばりがある=リウマチとは限らない

一方で、朝のこわばりは腱鞘炎(けんしょうえん)や更年期の症状、変形性関節症など、ほかの病気でも起こることがあります。自分で判断するのは難しいため、血液検査や画像検査ができる専門の医療機関で調べてもらうことが近道です。

受診先としては、リウマチ科や膠原病(こうげんびょう)内科、整形外科などがあります。症状が出始めた時期や、どの関節が痛むかをメモしておくと、診察がスムーズになります。

早期診断・早期治療が大切な理由

関節リウマチで早期治療が重視されるのは、関節の破壊が発症から早い時期に進みやすく、一度壊れた関節は元に戻らないからです。逆に言えば、早く治療を始めることで、将来の関節の変形を防げる可能性が高まります。

関節の破壊は「発症から2年以内」に進みやすい

京都大学医学部附属病院リウマチセンターの資料によると、関節リウマチによる関節の破壊は、発症から2年以内に進みやすいとされています。かつては、関節の破壊は長い年月をかけて起こると考えられていました。この認識が変わったことを受けて、2002年に日本リウマチ学会は病名を「慢性関節リウマチ」から「関節リウマチ」に改めています。

治療の目標も「痛みを止める」ことから、「関節の破壊を止める」ことへと移り変わりました。京都大学の資料も、薬がどれだけ進歩しても、一度変形した関節は元に戻らないと説明しています。

治療は大きく進歩している

現在の治療の中心は、病気の進行をおさえる「抗リウマチ薬」です。専門医の解説では、発症早期、つまり診断から3か月以内に使い始めることがすすめられています。効き目が不十分な場合には、炎症に関わる物質の働きをおさえる「生物学的製剤(せいぶつがくてきせいざい)」なども使われます。

WHOも、早く診断して治療を始めれば、症状をやわらげて病気の進行を遅らせ、障害を防げると説明しています。人によっては、症状がほとんど出ない「寛解(かんかい)」と呼ばれる状態を目指すこともできます。

世界関節炎デーをきっかけにできること

世界関節炎デーは、関節の健康を見直す「年に一度の点検日」として活用できます。特別な準備は必要なく、日常の中でできることから始められます。

今日からできる3つの行動

  1. 自分の関節をチェックする:朝のこわばりや腫れ、左右同時の痛みがないか確かめます。
  2. 生活習慣を見直す:WHOは、禁煙、適正な体重の維持、適度な運動、歯の健康を保つことなどを予防に役立つ行動として挙げています。
  3. 家族や身近な人と話題にする:親や家族が関節の痛みをがまんしていないか、声をかけてみましょう。

変形性関節症についても、WHOは運動と健康的な食事で筋肉を保ち、体重を適正に保つことが症状の軽減に役立つとしています。ただし、すでに痛みがある場合は、無理な運動で悪化させないよう、医師や理学療法士に相談してから取り組みましょう。

なお、本記事は一般的な情報をまとめたものです。症状や治療は個人の状況によって異なるため、気になることがある場合は医師などの専門家や公的機関にご相談ください。

よくある質問

世界関節炎デーはいつ、誰が決めたのですか?

毎年10月12日です。1996年に、各国のリウマチ患者団体が集まる国際組織「Arthritis and Rheumatism International(ARI)」が定めました。現在は欧州リウマチ学会(EULAR)が運営や広報を担っています。

関節リウマチは高齢者だけの病気ですか?

いいえ、若い世代でも発症します。日本では30〜50歳代の女性に多いとされてきましたが、近年は60歳代での発症も増えているという報告があります。年齢にかかわらず、気になる症状があれば受診を検討しましょう。

関節リウマチは治る病気ですか?

WHOは、関節リウマチは根治できない病気だと説明しています。ただし治療は大きく進歩しており、早く治療を始めれば症状をおさえ、関節の破壊や障害を防ぐことが期待できます。症状がほとんどない「寛解」を目指せる場合もあります。

朝のこわばりがあったら何科を受診すればよいですか?

リウマチ科、膠原病内科、整形外科などが相談先になります。こわばりはほかの病気でも起こるため、血液検査や画像検査で原因を調べてもらうことが大切です。かかりつけ医に相談し、専門の医療機関を紹介してもらう方法もあります。

まとめ

10月12日の世界関節炎デーは、1996年に国際的な患者団体が定めた、関節の病気を知るための記念日です。関節リウマチは免疫の誤作動による病気で、関節の破壊が発症から2年以内に進みやすいため、早期診断・早期治療がとても大切です。変形性関節症は軟骨のすり減りによる病気で、日本でも非常に多くの人が抱えています。

覚えておきたいポイントは、「朝のこわばり」「左右対称の腫れ」が続いたら、年齢のせいにせず早めに相談することです。まずは今日、ご自身の手指やひざに違和感がないか、ゆっくり動かして確かめてみてください。

参考リスト

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