はじめに
「日本の素晴らしい風景といえば?」と聞かれて、真っ先に思い浮かぶ場所はどこでしょうか。昔から日本には「日本三景(にほんさんけい)」と呼ばれる、格別に美しい3つの絶景スポットがあります。でも、なぜその3つが選ばれたのか、そしてなぜ7月21日が「日本三景の日」なのか、詳しい理由までご存じの方は少ないかもしれません。
👇 本記事でわかる3つの重要ポイント 👇
- 【テーマ1】7月21日が「日本三景の日」に制定された歴史的な理由
- 【テーマ2】松島・天橋立・厳島が日本を代表する絶景として選ばれた秘密
- 【テーマ3】旅が何倍も楽しくなる!各名所の歴史と見どころのポイント
この記事を読めば、日本三景の歴史や魅力がすっきり分かり、次の旅行がもっと楽しくなること間違いなしです。ぜひ最後まで楽しく読み進めてみてくださいね!
7月21日「日本三景の日」の由来と歴史
毎年7月21日は、記念すべき「日本三景の日」となっています。この記念日は、日本三景の魅力を全国にアピールし、観光を盛り上げる目的で「日本三景観光連絡協議会」という団体によって制定されました。
では、なぜ7月21日という日付になったのでしょうか。それには、江戸時代に活躍したある有名なお侍であり学者の存在が深く関係しています。その人物の名前は、林春斎(はやし しゅんさい)といいます。彼は江戸時代の初期に生きた儒学者(昔の学問や歴史を研究する専門家)で、日本の地理や歴史についてたくさんの本を書きました。
その林春斎が生まれた日が、元和4年(1618年)の7月21日だったのです。彼が自分の本の中で日本の素晴らしい景色を称賛した功績をたたえて、彼の誕生日にちなんで7月21日が記念日として選ばれました。
江戸時代の学者・林春斎と『日本国事跡考』の秘密
林春斎は、江戸幕府に仕えたとても優秀な学者でした。彼は日本のあちこちにある有名な場所や歴史的な出来事を調べるのが大好きで、1643年に『日本国事跡考(にほんこくじせきこう)』という全12巻にも及ぶ大きな本を書き上げました。
この本は、日本全国の名所や古い跡地について詳しくまとめた、今でいう「旅のガイドブック」や「地理の百科事典」のようなものです。その本の中の記述で、彼は次のように書きました。
「宮城県の松島、京都府の天橋立、広島県の厳島。この3つの場所は、日本の中で最も素晴らしい景色を持っている」
彼が本の中でこの3つの場所を特別に取り上げて大絶賛したことがきっかけとなり、「日本三景」という言葉が世の中に広まっていきました。江戸時代の人々にとって、この本は旅へのあこがれを強く刺激するものとなり、多くの人がこれらの絶景を一目見ようと旅に出かけるようになったのです。
なぜ「松島・天橋立・厳島」が選ばれたのか?
日本には綺麗で素晴らしい場所が山ほどあります。それなのに、なぜ林春斎はこの3つの場所だけを特別だと考えたのでしょうか。それには、いくつかの共通する魅力的な理由があります。
まず1つ目は、「海と陸が織りなす美しい自然のデザイン」です。3つの場所はいずれも海に面しており、波の静かな海面と、そこに浮かぶ島々や砂浜、豊かな緑の木々が見事なバランスで調和しています。山だけの景色や、海だけの景色ではなく、水と緑がぴったり合わさった芸術的な美しさがあるのです。
2つ目は、「歴史や信仰の深さ」です。ただ綺麗な景色というだけでなく、何千年も前から神様や仏様を祀る場所として大切にされてきた歴史があります。昔の人々は、その神秘的で神聖な雰囲気に心を打たれ、特別な場所として崇めてきました。
そして3つ目は、「詩や絵画の題材としての魅力」です。昔の歌人や絵描きたちは、これらの景色に深く感動し、たくさんの和歌を詠んだり美しい絵を描いたりしました。人の心を揺さぶる美しい表現のきっかけになる場所だったからこそ、日本を代表する絶景として語り継がれてきたのです。
日本三景その1:松島(宮城県)の魅力と見どころ
ここからは、日本三景に選ばれた3つの絶景スポットをひとつずつ詳しくご紹介していきます。まずは、東北地方の宮城県にある「松島(まつしま)」です。
松島は、穏やかな松島湾の上に、大小合わせて260以上もの緑豊かな島々が浮かんでいる非常に珍しい景色が魅力です。島々には青々とした松の木が生い茂っており、青い海と緑の島々のコントラストが言葉にできないほど美しい場所です。
松島には「松島四大観(まつしましだいかん)」と呼ばれる、景色を眺めるための4つの素晴らしい展望スポットが存在します。見る場所や角度、または訪れる時間帯や季節によって、まったく違う表情を見せてくれるのが特徴です。朝日が昇る瞬間や、夕暮れ時にオレンジ色に染まる海辺の風景は、一生に一度は見ておきたい感動的な光景となっています。
また、松島は歴史的にもとても重要な場所です。有名な戦国武将である伊達政宗(だてまさむね)も松島の景色をこよなく愛しており、伊達家の菩提寺(お墓があるお寺)である瑞巌寺(ずいがんじ)や、海に浮かぶお堂である五大堂(ごだいどう)など、素晴らしい歴史的建造物を残しました。観光で訪れる際は、遊覧船に乗って海の上から島々を間近で眺めるのがとても人気でおすすめです。
日本三景その2:天橋立(京都府)の魅力と見どころ
続いて2つ目は、関西地方の京都府北部、日本海に面した場所にある「天橋立(あまのはしだて)」です。
天橋立は、幅が約20メートルから170メートル、長さが約3.6キロメートルにも及ぶ細長い砂浜でできあがっています。その白く綺麗な砂浜には、約8,000本もの青々とした松の木が立ち並んでおり、対岸と対岸をまるで架け橋のようにまっすぐに結んでいます。何千何万年という長い年月をかけて、海の波や風が砂を運び上げて作り出した、まさに自然の奇跡とも言える不思議な造形です。
天橋立を訪れた際に絶対に体験していただきたいのが、有名な「股のぞき(またのぞき)」という鑑賞方法です。背を向けて立ち、かがんで自分の足の間から天橋立を覗き込んで見てみます。すると、天地がぐっと逆転して、海がまるで青空のように、そして松林の続く砂浜がまるで空に向かって一直線に舞い上がっていく龍のように見えます。このことから「天に架かる橋」という意味で「天橋立」という名前がつけられました。
日本三景その3:厳島・宮島(広島県)の魅力と見どころ
最後の3つ目は、中国地方の広島県にある「厳島(いつくしま)」です。一般的には「宮島(みやじま)」という名前でも親しまれています。
厳島のシンボルといえば、海の中に堂々と立ち立つ巨大な朱色の「大鳥居」と、満潮になるとまるで海の上に浮かんでいるかのように見えてくる「厳島神社」です。緑豊かな弥山(みせん)という神聖な山を背景にして、海の上に鮮やかな朱色の建築が映える様子は、まるで平安時代の絵巻物に入り込んだかのような幻想的な美しさを持っています。
この厳島神社は、12世紀の平清盛(たいらのきよもり)によって現在のような立派な姿に整えられました。島全体が昔から神様が宿る御神体として信仰されており、自然を傷つけないように海の上に社殿を建てたと言われています。その非常に高い文化的価値と美しい景観が認められ、1996年にはユネスコの世界文化遺産にも登録されました。
潮の満ち引きによって、全く異なる姿を見せてくれるのも厳島の大きな魅力です。引き潮の時には大鳥居のすぐ足元まで歩いて行くことができ、満潮の時には海に浮かぶ優美な神社を眺めることができます。
日本三景をめぐる旅の楽しみ方とアドバイス
松島、天橋立、厳島という3つの絶景は、どれも日本の歴史と豊かな自然が詰まった素晴らしい場所ばかりです。もしこれから日本三景を訪れる予定があるなら、事前に行く時期や時間帯をしっかり調べておくことをおすすめします。
例えば、季節ごとの変化を楽しむのも旅の醍醐味です。春には桜が美しく咲き誇り、夏には青い海と緑のコントラストが輝きます。秋には山々が赤や黄色に染まる紅葉が楽しめ、冬には静かな雪景色が広がるなど、どの季節に訪れても違った感動を味わうことができます。
また、現地のおいしい名物料理や特産品を味わうのも忘れてはいけません。松島では新鮮な牡蠣(かき)や笹かまぼこ、天橋立では日本海の美味しいお魚や松葉ガニ、厳島では名物の紅葉まんじゅうや焼き牡蠣、穴子飯などがとても有名です。美しい景色を目で楽しみ、美味しい食べ物をお腹いっぱい味わうことで、最高の思い出を作ることができます。
まとめ
今回は、7月21日の「日本三景の日」にちなんで、日本三景が誕生した歴史的な背景や、松島・天橋立・厳島のそれぞれの魅力について詳しくご紹介しました。
江戸時代の学者・林春斎がその著書『日本国事跡考』の中で称賛したことから始まった日本三景は、数百年という長い時間を経た今でも、変わることなく私たちの心を惹きつける素晴らしい景色であり続けています。
7月21日の日本三景の日をきっかけに、ぜひ日本の誇る素晴らしい3つの絶景に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。そして機会があれば、ぜひ実際に足を運んで、その息をのむような美しさを自分の目で確かめてみてくださいね!
参考リスト

