私はふだん、情報収集のほとんどをパソコンで行っています。ところが、たまにスマホでWebサイトを開くと、広告の多さに驚かされます。
記事を読もうとスクロールした瞬間に広告をタップしてしまい、まったく別の画面が開く。「続きを読むには広告を視聴してください」と動画を見せられる。画面いっぱいに広がった広告の「×」がどこにあるのかわからない……。結局、記事を読まずにそっと閉じてしまう。そんな経験が何度もありました。
では、ほかの人たちはこの状況を気にしていないのでしょうか? 今回は調査データで「みんなの本音」を確かめたうえで、スマホのうっとうしい広告に振り回されないための対策を、手軽なものから順に紹介します。
他の人は気にしていないのか? データが示す「みんなの本音」
結論から言うと、気にしているのはあなただけではありません。むしろ多数派です。
ネット広告への苦情は過去最多に
広告の苦情を受け付けている日本広告審査機構(JARO)の発表によると、2025年度の苦情は全体で12,589件と過去最多になりました。そのうちネット広告に関するものは7,664件で、前年度の約1.7倍に増え、初めて全体の6割を超えています。苦情の中身は表現の問題が中心ですが、ネット広告が「迷惑なもの」として強く意識されていることがうかがえます。
不快の理由ナンバーワンは「邪魔される」こと
2026年3月に行われた民間の調査では、オンライン広告を不快に感じたり読み飛ばしたくなったりする理由として、次のような回答が上位に並びました。
| 不快に感じる理由 | 回答の割合 |
|---|---|
| コンテンツの閲覧を中断(邪魔)される | 70.3% |
| 同じ広告が何度も表示される | 54.2% |
| 画面を占有して操作しづらい | 53.2% |
また、全体の約8割が何らかの広告に不快感を示したそうです。別の調査(20〜60代の300人が対象)でも、不快な理由の1位は「操作や閲覧を邪魔される」で、「スキップできない」「表示時間が長い」が続きました。
つまり多くの人は、広告そのものより「見たいものを人質に取られる出し方」にうんざりしているのです。冒頭で書いた私の不満と、ぴったり重なります。
すでに「広告ブロック」を使っている人も多い
世界の調査では、インターネット利用者の3人に1人ほどが何らかの広告ブロックを使っているとされ、その理由として最も多いのが「不快で邪魔な広告」です。「気にしていない人」が多いように見えるのは、黙って対策しているか、黙ってページを閉じているからなのかもしれません。
なぜスマホの広告はパソコンよりうっとうしいのか
同じサイトでも、パソコンではそれほど気にならないのに、スマホだと耐えがたい。これには理由があります。
- 画面が小さい:パソコンなら記事の横に収まる広告が、スマホでは本文の上に覆いかぶさります。
- 指で操作する:マウスのような精密な操作ができないため、スクロールしようとした指が広告に触れてしまう「誤タップ」が起きやすくなります。
- あとから割り込んでくる:ページの読み込みが終わってから広告が差し込まれると、本文がずれて、タップしようとした場所に広告が来てしまいます。
- 閉じるボタンがわかりにくい:小さな「×」や、数秒待たないと現れない「閉じる」ボタンなど、わざと消しにくくした広告もあります。こうした利用者をだますようなデザインは「ダークパターン」と呼ばれ、問題視されています。
今日からできる対策【レベル別】
ここからは、すぐにできる対策を3段階で紹介します。まずはレベル1から試して、物足りなければ次の段階へ進んでください。
レベル1:設定不要!広告とうまく付き合う操作のコツ
- ページが落ち着くまで1〜2秒待つ:開いた直後は広告が後から割り込んできます。すぐにスクロールやタップをせず、表示が止まってから操作するだけで誤タップがぐっと減ります。
- スクロールは画面の端で:広告は画面の中央付近に出ることが多いので、指を画面の左右の端に置いてスクロールすると安全です。
- 「×」は隅を探す:閉じるボタンは広告の右上・左上の角や、画面の一番上・一番下にあることが多いです。数秒待つと現れるタイプもあります。
- 間違って開いたら「戻る」:別の画面やアプリストアが開いてしまっても、慌てずに「戻る」操作(Androidは戻るボタンやジェスチャー、iPhoneは画面左上の戻るボタンや左端からのスワイプ)で元のページに戻れます。
【要注意】「ウイルスに感染しました」「iPhoneが損傷しています」「当選しました」といった表示が突然出ることがあります。これは広告や詐欺サイトによる偽の警告です。表示の中のボタンは押さず、そのタブ(ページ)を閉じてください。電話番号に電話したり、アプリを入れたりしてはいけません。
レベル2:スマホに最初から入っている機能を使う
iPhone(Safari)の場合
- リーダー表示:アドレスバーの左にある「ぁあ」(または同じ位置のページメニュー)から「リーダーを表示」を選ぶと、広告や装飾が消えて文章と画像だけのシンプルな画面になります。記事を読むだけなら、これが一番手軽で効果的です。
- 気をそらす項目を非表示:iOS 18以降のSafariでは、ページメニューから「気をそらす項目を非表示」を選び、邪魔な部分をタップすると、その場所を消すことができます。ただし、表示されるたびに中身が変わる広告は消しきれない場合があり、「広告ブロック機能」とは別物と考えてください。
- ポップアップブロック:「設定」アプリの「Safari」(iOS 18以降は「アプリ」→「Safari」)で「ポップアップブロック」をオンにしておくと、勝手に開く別ウインドウを防げます。
Android(Chrome)の場合
- 煩わしい広告のブロック:Chromeの「設定」→「サイトの設定」→「広告」(または「煩わしい広告」)で、迷惑な広告を出すサイトの広告をブロックする設定がオンになっているか確認しましょう。
- リーディングモード・簡易表示:Chromeには記事の本文だけを読みやすく表示する機能があります。メニュー(右上の「︙」)や、「設定」→「ユーザー補助」の中にありますので、記事が多いサイトで試してみてください。
- ポップアップのブロック:「設定」→「サイトの設定」→「ポップアップとリダイレクト」をブロックにしておくと、勝手に別のページへ飛ばされる被害を減らせます。
※メニューの名前や場所は、スマホの機種やOS・アプリのバージョンによって少し異なります。
レベル3:広告そのものをブロックする
それでも我慢できない場合は、広告を読み込ませない「広告ブロック」という方法があります。
iPhone:コンテンツブロッカーを入れる
App Storeで「広告ブロック」「コンテンツブロッカー」と検索すると、Safari用の広告ブロックアプリが見つかります。インストール後、「設定」→「Safari」(iOS 18以降は「アプリ」→「Safari」)→「機能拡張」でオンにすると、Safariで表示される広告が減ります。
Android:プライベートDNSを設定する(アプリ不要)
Android 9以降のスマホには「プライベートDNS」という機能があり、広告ブロックに対応したDNSサービスを指定するだけで、アプリを入れずにスマホ全体の広告を減らせます。
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」(機種によっては「接続」→「その他の接続設定」)を開く
- 「プライベートDNS」をタップ
- 「プライベートDNSプロバイダのホスト名」を選び、
dns.adguard-dns.comと入力して保存
元に戻したいときは、同じ画面で「自動」を選ぶだけです。なお、一部のサイトやアプリが正しく表示されなくなったり、会社や学校のWi-Fiでつながりにくくなったりすることがあります。困ったときはいったん「自動」に戻してください。
広告ブロック機能付きのブラウザに替える
最初から広告ブロック機能を備えたスマホ用ブラウザもあります。いつものブラウザはそのままにして、「記事を読む専用」として使い分けるのも一つの方法です。
広告ブロックを使う前に知っておきたいこと
- 怪しいアプリに注意:「広告を消す」とうたいながら、かえって広告を出したり、個人情報を集めたりするアプリもあります。評価やレビュー件数、提供元をよく確認しましょう。
- 表示が崩れることがある:広告ブロックの影響で、ボタンが押せない、動画が再生されないといった不具合が起きる場合があります。そのサイトだけブロックをオフにすると直ることが多いです。
- 広告は無料サイトの収入源でもある:多くのサイトは、広告収入で記事を無料公開しています。応援したいサイトや、広告の出し方が控えめなサイトでは、ブロックを外してあげるのも一つの思いやりです。
実は、このブログも広告に支えられている面があります。だからこそ、広告を「読者の邪魔をしないもの」にしておく大切さを、今回あらためて感じました。
まとめ:我慢せず、自分に合った方法で快適に
- スマホ広告を「うっとうしい」と感じているのは少数派ではなく、多くの人の本音です。
- 一番の不満は、広告そのものより「見たいものを邪魔される」出し方にあります。
- まずは「1〜2秒待つ」「画面の端でスクロール」といった操作のコツから。
- 次に、リーダー表示やポップアップブロックなど、スマホに最初から入っている機能を活用。
- それでもつらいときは、コンテンツブロッカーやプライベートDNSで広告をブロック。
- 偽のウイルス警告や怪しい広告ブロックアプリには、くれぐれもご注意を。
広告に振り回されて記事を読まずに閉じてしまうのは、もったいないことです。自分に合った方法を一つでも取り入れて、スマホでの情報収集をもっと気楽に楽しみましょう。

