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【補足版】AdGuard DNSは安全?運営会社・個人情報・広告が消える仕組みを検証

お悩み
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はじめに

先の記事『スマホの広告がうっとうしい!みんなはどう思ってる?今日からできる対策をレベル別に解説』で紹介したプライベートDNSを、私も実際に設定してみました。煩わしい広告がほとんど出なくなり、アプリを入れずに設定ひとつで済む手軽さにも感激しました。広告があった場所が空白で残るのは少し気になりますが、読むのを邪魔されないので許容範囲です。

ただ、使い始めてから一つ気になることが出てきました。入力した「dns.adguard-dns.com」を運営しているのはどんな企業で、信頼してよいのか。スマホの通信を任せて、個人情報が流出する心配はないのか。そして、そもそもどんな仕組みで広告が消えているのか。この記事では、AdGuard DNSの安全性について、公式のプライバシーポリシーや会社情報を確認しながら整理しました。

👇 本記事でわかる3つの重要ポイント 👇

  • 【テーマ1】運営会社AdGuardの素顔と信頼性の判断材料
  • 【テーマ2】プライバシーポリシーから読む個人情報の扱いと限界
  • 【テーマ3】DNSで広告が消える仕組みと困ったときの対処法

先の記事でプライベートDNSを設定した方も、これから試そうか迷っている方も、安心して使い続けるための判断材料としてお読みください。

dns.adguard-dns.comとは?AdGuard DNSの基本

結論から言うと、dns.adguard-dns.comは、AdGuard(アドガード)という会社が無料で公開している「広告ブロック機能付きのDNSサーバー」の住所です。DNSサーバーとは、ネットの住所録のような役割を持つコンピューターのことで、詳しい仕組みは後ほど説明します。

AdGuard DNSは、広告や行動を追跡する仕組み(トラッカー)、詐欺サイトやウイルス配布サイトへの通信を、通信の入り口で止めてくれます。専用アプリを入れる必要がなく、Androidなら「プライベートDNS」の欄にホスト名を入力するだけで、スマホ全体に効き目があるのが特長です。

目的に合わせた3種類の公開サーバー

AdGuard DNSの公式サイトによると、無料の公開サーバーは目的別に3種類が用意されています。先の記事で紹介したのは、このうちの「標準」です。

種類 Androidで入力するホスト名 ブロックする内容
標準 dns.adguard-dns.com 広告とトラッカー
家族保護 family.adguard-dns.com 広告・トラッカーに加え、成人向けサイト。検索のセーフサーチなども有効になる
ノンフィルタリング unfiltered.adguard-dns.com 何もブロックしない(暗号化されたDNSとしてだけ使う)

お孫さんやお子さんがスマホを使う場合は、「家族保護」を選ぶ方法もあります。ただし、検索結果やコメント欄の表示が変わることがあると公式も説明しています。

「dns.adguard.com」は古い名前なので注意

ネットの解説記事には、ホスト名を「dns.adguard.com」と書いているものがまだ残っています。これは以前の名前で、現在の公式サイトで案内されているのは「dns.adguard-dns.com」です。AdGuard公式ブログでは、一部の国でadguard.comのドメインが遮断された際に、新しい名前へ切り替えるよう案内していました。これから設定する場合や、古い名前で設定したままの場合は、新しいほうを使うのが確実です。

また、パソコンなどで数字の住所(IPアドレス)を入力する場合、標準サーバーは「94.140.14.14」と「94.140.15.15」です。2020年より前の古いアドレスはすでに停止されていると、公式ブログで告知されています。

運営会社AdGuardはどんな企業?

結論として、AdGuardは2009年から広告ブロック製品を作り続けている、キプロスに本社を置く企業です。正体の分からない業者ではなく、会社の所在地や連絡先、プライバシーポリシーをきちんと公開しています。

会社の基本情報

AdGuardの公式サイトの会社概要とプライバシーポリシーに書かれている内容を、表にまとめました(2026年10月時点)。

項目 内容
会社名 Adguard Software Limited(アドガード・ソフトウェア・リミテッド)
設立 2009年6月1日
本社 キプロス共和国 リマソール市
主な製品 AdGuard広告ブロッカー、AdGuard VPN、AdGuard DNS、AdGuardメールなど
利用者数 公式プレスルームによると1億6,000万人以上
適用される法律 EUの個人情報保護法「GDPR(一般データ保護規則)」

創業者として、アンドレイ・メシュコフ氏、イゴール・ルキャノフ氏らの名前が挙げられています。日本語の公式サイトや日本語のサポートもあり、日本の利用者向けにも力を入れていることがうかがえます。

ロシア発祥でキプロスへ移転した経緯

英語版ウィキペディアによると、AdGuardはもともと2009年にロシアのモスクワで設立され、その後、本社をEU加盟国のキプロスへ移しました。移転の年については「2014年」とする情報もありますが、公式サイトでは確認できませんでした。

「ロシア発祥」と聞いて不安に感じる方もいるかもしれません。判断の材料として、現在の運営会社はキプロスで登録されていて、GDPRに従うと公式に表明していること、そして個人データの保管場所がドイツ・フランクフルトの自社データセンターだと明記されていることを押さえておくとよいでしょう。逆に、ロシア国内ではAdGuardのドメインが当局に遮断され、利用者がDNSの設定を変える必要に迫られたことが、公式ブログで報告されています。

信頼性を判断するための材料

AdGuardの信頼性を考えるうえで、プラスとなる材料は次のとおりです。

  • ソースコードの公開:AdGuard DNSのプログラムはオープンソースとして公開され、誰でも中身を確認できます。
  • EUの法律のもとで運営:GDPRにより、利用者はデータの開示や削除を求める権利を持ちます。キプロスのデータ保護当局に苦情を申し立てることもできます。
  • 長い運営実績:2009年から製品を提供しており、DNSサービスは2016年に試験を始め、2018年に正式に開始されています。

一方で、過去の出来事も知っておくと公平です。2018年9月には、AdGuardのアカウントが「パスワードの使い回し」を狙った不正ログインの攻撃を受けました。会社側はサーバー自体は侵入されていないと説明し、念のため全アカウントのパスワードをリセットしています。DNSの閲覧データが流出した事件ではありませんが、「どんな企業でも狙われることはある」という前提で使うのが現実的です。

個人情報が流出する可能性は?プライバシーポリシーを読む

結論から言うと、無料の公開DNS(dns.adguard-dns.com)を使っている限り、AdGuardは利用者個人を特定できる情報を処理しないと、公式のプライバシーポリシーに明記されています。アカウント登録も不要なので、そもそもメールアドレスや名前を渡すことがありません。

保存「しない」と書かれていること

2024年8月6日付のAdGuard DNSプライバシーポリシーの要点は次のとおりです。

  • 公開DNSの利用では、個人データを一切処理しない。
  • 利用者の情報を第三者と共有したり、販売したりしない。
  • 追跡を目的とした情報収集はしない。

つまり、「どの端末が、いつ、どのサイトを見たか」を個人と結びつけて記録しない、という約束です。

運営のために「匿名で保持」すると書かれていること

まったく何も記録しないわけではありません。サービスを改善するために、次のような個人と結びつかないデータを扱うと説明されています。

  • サーバーの性能に関する集計(リクエストの件数、ブロックした件数、処理の速さなど)
  • 直近24時間に問い合わせのあったドメイン名の匿名データベース(新しい広告サーバーや脅威を見つけるため)
  • 各トラッカーが何回ブロックされたかの記録(古くなったブロックのルールを整理するため)

24時間分のドメイン名の記録には、元の利用者と結びつく情報は一切含まれないとされています。たとえるなら、「この交差点を今日何台の車が通ったか」は数えても、「どの家の車か」は記録しない、というイメージです。

データの保管場所

有料のプライベートDNSなどでアカウントを作った場合の個人データは、ドイツ・フランクフルトにある自社のデータセンターで保管されるとポリシーに書かれています。データセンター側から通信の記録を求められた場合は、そのデータセンターの利用をやめるとまで明記しています。

それでも知っておきたい「限界」

ここまで読むと安心材料が多いのですが、冷静に押さえておきたい点もあります。

  • 約束は自己申告:プライバシーポリシーは会社の約束であり、外部の私たちがサーバーの中を直接確かめることはできません。ソースコードは公開されていても、実際に動いているサーバーが同じものかを利用者が確かめるのは困難です。
  • 見えるのは「行き先」:DNSが知るのは「どのドメインに接続しようとしたか」という行き先までです。ページの中身や入力したパスワードは、通常の暗号化通信(https)で守られているため、DNSからは見えません。
  • 暗号化の効果:AndroidのプライベートDNS設定は通信を暗号化するため、通信の途中で第三者に行き先をのぞかれにくくなります。これは標準のDNSより有利な点です。

まとめると、AdGuardに「行き先」を預ける代わりに、通信の途中にいる第三者からは見えにくくなる、という交換条件です。どのDNSを使っても、どこかの事業者に行き先を預けることに変わりはありません。その中で、運営元とルールがはっきりしているサービスを選ぶ、という考え方が現実的です。

広告がブロックされる仕組み(DNSフィルタリング)

AdGuard DNSが広告を消す仕組みは、ひと言でいえば「ネットの住所録で、広告の住所だけを教えない」というものです。専門用語では「DNSフィルタリング」と呼ばれます。

DNSは「ネットの住所録」

私たちがWebサイトを開くとき、スマホは「yahoo.co.jp」のような名前(ドメイン)を、コンピューターが理解できる数字の住所(IPアドレス)に変換する必要があります。この変換を受け持つのがDNSサーバーです。電話帳で名前から電話番号を調べるのと同じ役割だと考えると分かりやすいでしょう。

Webページの中に広告の枠があると、スマホは裏側で「広告配信サーバーの住所を教えて」と、DNSサーバーに自動で問い合わせます。広告ブロックは、この問い合わせの段階で行われます。

広告を止める3つのステップ

  1. 問い合わせ:Webサイトやアプリが、本文と一緒に広告サーバーの住所もDNSに問い合わせます。
  2. リストと照合:AdGuard DNSは、広告やトラッカーのドメインをまとめた「ブロックリスト」と、問い合わせ先を照合します。このリストは公開されていて、利用者からの報告をもとに更新されています。
  3. 住所を教えない:普通のサイトなら正しい住所を返しますが、リストに載っている広告のドメインには、どこにもつながらない住所を返します。その結果、スマホは広告サーバーとつながれず、広告が表示されません。

広告枠が「空白」で残る理由

私が気になった「広告の場所がぽっかり空く」現象にも、きちんと理由がありました。AdGuardのナレッジベースによると、DNSフィルタリングは大まかな仕組みで、ブロックした広告の跡に残る余白までは取り除けません。

DNSは「中身を届けない」ことはできても、ページのデザインを書き換えることはできないのです。たとえるなら、新聞の広告欄に届くはずの原稿を止めることはできても、紙面のレイアウトまでは詰められないようなものです。アプリ型やブラウザ拡張型の広告ブロッカーは、ページを読み込んだあとで画面を書き換えるため、枠ごときれいに消せます。データが欠け落ちたように見えますが、記事の本文が失われているわけではないので安心してください。

YouTubeの広告が消えない理由

YouTubeの動画広告は、DNSでは基本的に消せません。動画広告が、本編の動画と同じドメインから配信されることが多いためです。そのドメインを止めると本編まで見られなくなってしまいます。AdGuardのナレッジベースでも、手の込んだ広告の多くは、ほかの用途にも使われるドメインごと止めない限り、DNSでは防げないと説明されています。

DNS型とアプリ型の違いを表にまとめます。

比較項目 DNS型(AdGuard DNSなど) アプリ・拡張機能型
止める場所 通信の入り口(住所の問い合わせ) ページを読み込んだあと
効く範囲 スマホ全体(多くのアプリ内広告も) 主に対応するブラウザやアプリ
スマホへの負担 軽い(電池や通信量の節約にもなる) 端末側で処理するため、やや負担がある
広告の跡 空白が残りやすい 枠ごと消せることが多い
YouTube広告 基本的に消せない 消せるものもある

無料なのにどうやって運営しているの?

「無料のサービスは、個人データを売ってもうけているのでは?」と疑うのは自然なことです。しかし、AdGuardの主な収入源は、有料製品の販売です。無料の公開DNSは、AdGuardの技術を知ってもらう入り口の役割を果たしていると考えられます。

AdGuardの有料製品には、パソコンやスマホ用の広告ブロッカーアプリ(年額などのライセンス)、AdGuard VPN、AdGuard DNSの有料プランなどがあります。なお、自宅のネットワーク全体を守る「AdGuard Home」は、自分で用意した機器に入れて使う無料のオープンソースソフトです。

無料の公開DNSと「プライベートAdGuard DNS」の違い

AdGuard DNSには、私たちが使っている公開DNSのほかに、アカウントを作って使う「プライベートAdGuard DNS」があります。名前が似ていますが、Androidの「プライベートDNS」機能とは別物なので注意してください。

項目 公開DNS(dns.adguard-dns.com) プライベートAdGuard DNS
料金 無料 無料のStarterプランと、有料のPersonal・Teamプランなど
アカウント 不要 必要(メールアドレスを登録)
カスタマイズ できない(特定サイトだけ許可する、などは不可) 端末ごとにブロックや許可を細かく設定できる
通信の記録 個人と結びつく記録は残さない 管理画面で見るために記録を保存(設定でオフや保存期間の変更が可能)

プライベートAdGuard DNSを使うと、自分の端末の通信記録を自分で確認できる反面、その記録はAdGuardのサーバーに保存されます。プライバシーを最優先にするなら、アカウント不要の公開DNSのほうが、預ける情報は少なくて済みます。

困ったときの対処法

AdGuard DNSを使っていると、まれにアプリやサイトが正しく動かないことがあります。原因の多くは、本来必要な通信まで「広告・追跡」とみなされて止められてしまうことです。こうした「誤ブロック」は、いったんDNSを元に戻すだけで解決できます。

うまく動かないことがある場面

  • Google検索の広告リンク:検索結果の「スポンサー」欄のリンクを押しても、ページが開かないことがあります。
  • ポイントサイト経由の買い物:ポイント付与のための追跡が止められ、ポイントが反映されない場合があります。
  • 一部の決済・銀行アプリ:アプリ内のチャージやログインで、エラーが出たという報告があります。店頭でのバーコード決済やタッチ決済は、多くの場合そのまま使えるとされています。
  • 公衆Wi-Fiや会社・学校のWi-Fi:ネットワーク側の制限で、つながりにくくなることがあります。

なお、決済アプリとの相性は、アプリの更新やブロックリストの変更で変わる可能性があります。お金に関わる操作でエラーが出たときは、無理に何度も試さず、次の手順でDNSを戻してからやり直してください。それでも解決しない場合は、状況によって原因が異なるため、各決済サービスや銀行の公式サポートにご相談ください。

一時的にオフにする方法

  • Androidの場合:「設定」→「ネットワークとインターネット」→「プライベートDNS」を開き、「自動」を選びます。用事が済んだら、再びホスト名を選び直せば元どおりです。
  • iPhoneでAdGuard DNSの構成プロファイルを入れている場合:「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」→「DNS」で、「自動」に切り替えます。

メニューの名前や場所は、機種やOSのバージョンによって少し異なります。

よくある質問

AdGuard DNSを使うと、見たサイトがすべて記録されますか?

公式のプライバシーポリシーでは、無料の公開DNSについて、個人データを処理しないと明記されています。新しい脅威を見つけるために、直近24時間分のドメイン名を匿名で保持しますが、利用者と結びつく情報は含まれないとされています。

AdGuard DNSのサーバーが止まったらどうなりますか?

Androidでホスト名を指定している場合、サーバーにつながらないとネット全体がつながりにくくなることがあります。AdGuard公式ブログでも、2024年9月や2025年11月に一部で障害が起きたことが報告されています。急にネットが使えなくなったら、まずプライベートDNSを「自動」に戻して確認してください。

iPhoneでもAdGuard DNSは使えますか?

使えます。iPhoneにはAndroidのようなホスト名の入力欄がないため、AdGuard DNSの公式サイトから「構成プロファイル」をダウンロードし、「設定」アプリでインストールする方法が案内されています。先の記事で紹介したSafari用のコンテンツブロッカーと組み合わせることもできます。

パソコンでも使えますか?

使えます。Windowsでは、ネットワークの設定でDNSサーバーのアドレスに「94.140.14.14」と「94.140.15.15」を入力します。Macでは、公式サイトから構成プロファイルをダウンロードしてインストールする方法が案内されています。ブラウザの広告ブロック拡張機能と併用しても問題ありません。

無料の公開DNSに利用回数の制限はありますか?

公開DNSは登録不要で、誰でも無料で使えます。リクエスト回数や端末数の上限があるのは、アカウントを作って使う「プライベートAdGuard DNS」の各プランです。プランの内容は変わることがあるので、利用する前に公式の料金ページを確認してください。

まとめ

dns.adguard-dns.comについて、気になっていた疑問を整理すると次のようになります。

  • どんな企業?:2009年設立、キプロスに本社を置くAdGuard社が運営。ロシア発祥ですが、現在はEUの法律GDPRのもとで運営されています。
  • 信頼性は?:会社情報やプライバシーポリシーを公開し、DNSのソースコードもオープンソース。長い運営実績があります。
  • 個人情報は?:公開DNSでは個人データを処理しないと明記。ただし約束は自己申告で、行き先(ドメイン)をAdGuardに預けている点は理解しておきましょう。
  • 仕組みは?:広告サーバーの住所を教えないことで広告を止めます。そのため広告の跡が空白で残り、YouTube広告は消せません。

「設定ひとつでスマホ全体の広告が減る」という便利さは、仕組みと約束の内容を知ったうえで使えば、より安心して続けられます。まずはスマホの「設定」でプライベートDNSの画面を開き、ホスト名が「dns.adguard-dns.com」になっているか、古い「dns.adguard.com」のままになっていないかを確認してみてください。設定の手順は、先の記事『スマホの広告がうっとうしい!みんなはどう思ってる?今日からできる対策をレベル別に解説』で紹介しています。

参考リスト

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