はじめに
朝晩の空気がひんやりとして、布団から出るのが少しつらくなってきた方も多いのではありませんか。2026年10月23日は、二十四節気の「霜降(そうこう)」です。カレンダーの片すみで見かけても、「どんな意味なのか」「いつまで続くのか」までは知らないという方が多いはずです。
👇 本記事でわかる3つの重要ポイント 👇
- 【テーマ1】霜降の意味と2026年の期間
- 【テーマ2】霜ができる仕組みと初霜の最新事情
- 【テーマ3】霜降の頃の行事と過ごし方のコツ
暦の言葉を知ると、毎朝の冷え込みや色づく木々が「季節の便り」に変わります。秋の最後の15日間を気持ちよく過ごすために、さっそく見ていきましょう。
霜降とは?読み方と意味をやさしく解説
霜降とは「霜が降り始める頃」を表す、秋の最後の二十四節気です。読み方は「そうこう」で、二十四節気の18番目にあたります。
「霜が降りる頃」を表す秋の最後の節気
二十四節気(にじゅうしせっき)は、1年を24に分けて季節の移り変わりを表した暦の目安です。太陽が通る道(黄道)を15度ずつ区切って決めており、霜降は太陽が黄経210度に達したときにあたります。
imidasの暦の解説によると、霜降は秋を初秋・仲秋・晩秋の3つに分けたうちの「晩秋」で、秋の最後の時期にあたります。次の節気は冬の始まりを告げる「立冬」なので、霜降は秋から冬へのバトンタッチの期間といえます。
江戸時代の暦の解説書『暦便覧(こよみびんらん)』では、霜降を次のように説明しています。
露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆえなり(『暦便覧』)
「陰気」とは冷たい空気のことです。夜露が冷気で凍り、霜となって地面に降りる頃という意味になります。
2026年の霜降はいつからいつまで?
国立天文台の「令和8年(2026)暦要項」によると、2026年の霜降は10月23日18時38分です。二十四節気は「その日」を指すと同時に、次の節気の前日までの「期間」も表します。
| 節気 | 2026年の日時(中央標準時) | 太陽黄経 |
|---|---|---|
| 寒露(かんろ) | 10月8日 15時29分 | 195度 |
| 霜降(そうこう) | 10月23日 18時38分 | 210度 |
| 立冬(りっとう) | 11月7日 18時52分 | 225度 |
つまり、2026年の霜降の期間は10月23日から11月6日までの15日間です。霜降の日付は毎年同じではなく、地球が太陽のまわりを回る周期とのずれによって、10月23日か24日になります。
霜降の七十二候|霜始降・霎時施・楓蔦黄
霜降の15日間は、さらに約5日ずつ3つの「候(こう)」に分かれています。これを七十二候(しちじゅうにこう)といい、霜、時雨、紅葉と、冬へ向かう自然の変化を細やかに表しています。
| 候 | 名前と読み方 | 2026年の始まり | 意味 |
|---|---|---|---|
| 初候 | 霜始降(しもはじめてふる) | 10月23日頃 | 山里や田畑に霜が降り始める頃 |
| 次候 | 霎時施(こさめときどきふる) | 10月28日頃 | 冷たい小雨がときどき降る頃 |
| 末候 | 楓蔦黄(もみじつたきばむ) | 11月2日頃 | モミジやツタが色づく頃 |
次候の「霎」は「しぐれ」とも読み、「しぐれときどきほどこす」という読み方も紹介されています。晩秋から初冬にかけて、降ったりやんだりする冷たい雨が時雨(しぐれ)です。ひと雨ごとに気温が下がっていくのも、この時期の特徴です。
末候の「楓蔦黄」は「ふうかつきなり」と読まれることもあります。モミジやツタが赤や黄に染まり、平地でも紅葉が見頃に向かいます。七十二候を順に追うと、霜→時雨→紅葉と、季節が一歩ずつ冬に近づく様子がよくわかります。
霜はなぜ降りる?できる仕組みと条件
霜は、0℃以下に冷えた地面や草の表面に、空気中の水蒸気が氷の結晶としてくっついたものです。「降る」と書きますが、雨や雪のように空から落ちてくるわけではありません。
主役は「放射冷却」
福岡管区気象台の解説資料によると、霜ができやすいのは、晴れて風の弱い夜です。昼間に温まった地面は、夜になると熱を空へ逃がして冷えていきます。これを放射冷却(ほうしゃれいきゃく)といいます。
雲は地面にとって「布団」のような役割をします。雲がない夜は熱がどんどん逃げ、風がないと冷えた空気が地面近くにたまり続けます。そのため、次のような条件がそろうと霜が降りやすくなります。
- 夜から朝にかけて晴れている
- 風が弱い
- 空気が乾いている
- 盆地や谷底など、冷たい空気がたまりやすい場所
秋は、大陸から冷たく乾いた空気を運ぶ移動性高気圧がやってきます。高気圧の中心付近ではこの条件がそろいやすく、晩秋になると霜が見られるようになります。
気温が0℃より高くても霜が降りる理由
天気予報の最低気温は、地面から少し離れた高さで測った値です。晴れて風のない朝は、地面のすぐ上の空気だけが特に冷えるため、予報の気温が0℃を上回っていても地面は氷点下になっていることがあります。
秋田魁新報が伝えた秋田地方気象台の話では、最低気温が4℃以下なら霜が降りる可能性があるとされています。最低気温の予報が4℃前後まで下がってきたら、霜の季節が近いサインと考えるとよいでしょう。
なお、コトバンク(日本大百科全書)によると、水蒸気がいったん露になってから凍ったものは「凍露(とうろ)」と呼ばれます。見分けるのが難しいため、これも霜として扱われることがあります。
初霜はいつ頃?地域差と気象庁の観測終了
霜降は「霜が降り始める頃」ですが、実際に初霜が見られる時期は地域によって大きく違います。暦の名前は、古代中国の黄河流域の気候をもとにしているため、日本の平地ではもう少し遅いのが一般的です。
各地の初霜の平年値
気象庁の各地方気象台が公表している、初霜の平年値(1991〜2020年の平均)の一例です。
| 観測地点 | 初霜の平年値 | 最も早かった記録 |
|---|---|---|
| 熊本 | 11月25日 | 10月15日(1927年) |
| 宮崎 | 12月2日 | 10月22日(1888年) |
| 神戸 | 12月31日 | 10月24日(1899年) |
このように、西日本の平地では初霜は12月頃が目安です。一方で、北日本や山あいの地域では、霜降の頃にはすでに霜が見られることがあります。暦どおりの「霜が降りる頃」を実感しやすいのは、寒い地域や高原だといえます。
2025年度の冬から「初霜」の目視観測は終了
気象庁は2025年8月27日の報道発表で、2025年度の冬のシーズンから初霜・初氷の目視観測を終了すると発表しました。これまで全国の気象台や測候所の職員が、毎朝目で見て確認してきた季節観測です。
終了の理由として気象庁は、アメダスや気象衛星ひまわりなどを使った、面で気温の分布を示す情報が整ってきたことを挙げています。農作物に霜の被害が出るおそれがあるときは、これまでどおり「霜注意報」が発表されます。2026年10月時点では、「今日、初霜を観測しました」というニュースの代わりに、霜注意報や最低気温の予報を確認するのが確実な方法です。
霜降の頃の行事と旬の味覚
霜降の頃は、秋の収穫が最終盤を迎え、月見や芋掘りなど実りにちなむ行事が続きます。2026年は、霜降の日と十三夜が重なるのも見どころです。
2026年は霜降の日が「十三夜」
十三夜は旧暦9月13日の夜のお月見で、十五夜の後に来るため「後(のち)の月」とも呼ばれます。栗や豆を供えることから「栗名月」「豆名月」という呼び名もあります。小学館HugKumの解説によると、十五夜が中国から伝わった習慣なのに対し、十三夜は日本で独自に広まったお月見と考えられています。
2026年の十三夜は10月23日(金)で、霜降の日と同じです。京都の東本願寺の飛地境内・渉成園では、この日の夜に一夜限りの夜間開園「渉成園十三夜」が予定されています。晴れていれば、満月より少し欠けた月を眺めてみてください。
10月23日は「おいもほりの日」
雑学ネタ帳によると、10月23日はサツマイモが育つ時期にちなんで「おいもほりの日」とされています。霜に当たるとサツマイモは傷みやすいため、本格的に冷え込む前のこの時期は、芋掘りにちょうどよい季節です。
霜降の頃においしい旬の食材
管理栄養士が監修したトクバイの記事では、10月が旬の食材として次のようなものが挙げられています。
| 種類 | 旬の食材の例 |
|---|---|
| 野菜類 | かぶ、さつまいも、里芋、かぼちゃ、ぎんなん、きのこ類 |
| 魚介類 | 鮭、さんま、かつお、さば |
| 果物 | 柿、りんご、栗、柚子 |
二十四節気が生まれた中国でも、霜降の頃には柿を食べる習慣があると、中国日報(China Daily)が紹介しています。日本でも柿が店先に並ぶ季節です。旬の食材は味が濃く値段も手ごろなことが多いので、季節を味わう第一歩にぴったりです。
霜降の過ごし方と注意点
霜降の頃に気をつけたいのは、朝晩と日中の寒暖差です。一日の中で気温が大きく変わるため、服装と体調の管理がこの時期を快適に過ごすカギになります。
寒暖差に合わせた服装の工夫
晴れた日の朝は放射冷却で冷え込みますが、日中は日差しで暖かくなることがよくあります。秋田魁新報の記事でも、東北のほとんどの地域で一日の寒暖差が10℃以上になった日が報じられていました。次のような工夫がおすすめです。
- 脱ぎ着しやすい上着やカーディガンを重ねる
- 朝の外出時は、首元や足元を冷やさないようにする
- ひざ掛けやストールを持ち歩き、冷えを感じたらすぐ使う
- 前日の夜に、翌朝の最低気温の予報を確認しておく
季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもあります。睡眠や食事を整え、体調の変化を感じたら早めに休むことを心がけましょう。体調や持病については個人の状況によって異なるため、気になることがあれば医師や医療機関にご相談ください。
家庭菜園や鉢植えの霜対策
霜は作物の葉や実を凍らせ、傷めてしまうことがあります。マイナビ農業の記事によると、いちばん手軽な対策は、不織布(ふしょくふ)や寒冷紗(かんれいしゃ)などの薄い布を作物にかけておく方法です。
- 天気予報で、晴れて風の弱い夜と最低気温の低下を確認する
- 夕方のうちに、不織布などを作物にふんわりかける
- 寒さに弱い鉢植えは、軒下や室内の明るい場所へ移す
- 翌朝、日が当たって気温が上がったら覆いを外す
特に、冷たい空気がたまりやすい低い場所や、風通しのない庭のすみは霜が降りやすいので注意が必要です。
よくある質問
霜降は毎年10月23日ですか?
いいえ、毎年同じではありません。霜降は太陽の位置で決まるため、近年は10月23日か24日になります。2026年は10月23日で、正確な日時は国立天文台が毎年発表する暦要項で確認できます。
霜降の時期に必ず霜が降りますか?
必ず降りるわけではありません。霜降は古代中国の気候をもとにした季節の目安で、日本の平地の初霜は11月下旬から12月頃が一般的です。北日本や山間部では、霜降の頃に霜が見られることがあります。
霜降と「霜降り肉」は関係がありますか?
読み方も意味も別の言葉です。二十四節気の霜降は「そうこう」と読み、霜が降りる頃を表します。牛肉の「霜降り(しもふり)」は、赤身に白い脂肪が細かく入った様子を、霜に見立てた呼び名です。
今年は初霜のニュースがないのはなぜですか?
気象庁が、2025年度の冬のシーズンから初霜・初氷の目視観測を終了したためです。霜の被害が心配なときは、気象台が発表する霜注意報や最低気温の予報を確認しましょう。
まとめ
霜降は「霜が降り始める頃」を表す、秋の最後の二十四節気です。2026年は10月23日に始まり、立冬の前日の11月6日まで続きます。七十二候は霜始降、霎時施、楓蔦黄と移り変わり、霜、時雨、紅葉と、自然が少しずつ冬じたくを進めていきます。
霜は、晴れて風の弱い夜の放射冷却で生まれ、最低気温が4℃前後まで下がると降りる可能性があります。今年は霜降の日と十三夜が重なり、柿やさつまいもなど旬の味覚もそろう季節です。寒暖差に備えた服装を心がけながら、晩秋ならではの景色を楽しみましょう。
まずは今夜、天気予報で明日の朝の最低気温を確認してみてください。4℃を下回りそうなら、翌朝は少し早起きをして、草の葉や車の屋根に白い霜が降りていないか探してみるのがおすすめです。
参考リスト
- 令和8年(2026)暦要項 二十四節気および雑節|国立天文台
- 【和の心 暦と行事】霜降|imidas
- 二十四節気「霜降」とは?2026年はいつ?意味や読み方、過ごし方と食べ物・歳時記・七十二候を解説|All About
- 霜降(10月23日頃 二十四節気)|雑学ネタ帳
- 初霜・初氷に関する情報提供の見直しについて|気象庁
- 熊本地方気象台の霜、雪、結氷、初冠雪|気象庁
- 宮崎地方気象台の霜、雪、結氷、初冠雪|気象庁
- 神戸地方気象台 初霜の観測について(2024年12月20日)|気象庁
- 霜と放射冷却の解説資料|福岡管区気象台
- 霜とは|コトバンク
- 北斗星|秋田魁新報
- 凍霜害への対策方法|マイナビ農業
- 「十三夜」とは?十五夜との違いや意味・由来を解説|HugKum
- 2026年 渉成園十三夜|真宗大谷派(東本願寺)
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